ハワイ島といえば火山が代名詞の島だが実はそれだけではない。水が豊かなこの島には緑も多く、様々な自然の表情を楽しむことができる島なのだ。そんなハワイ島の大自然を楽しめるスポットやツアーを5つご紹介。
マウナケア スターゲイジング/Mauna Kea Star Gazing
マウナケア山は標高4205mあるハワイ州の最高峰。ネイティブハワイアンにとって古代から聖地とされてきた山でもある。空気が澄んでいるため天体観測に適していて、世界各国の天文台12基が設置されている天体観測のメッカだ。しかしこのマウナケアは、各天文台関係者以外は日没後の30分以内に頂上エリアから全て退去しなくてはいけないという規則があるため、実際に一般の天体観測者は頂上から少し標高の低いオニヅカ・ビジター・センター周辺(標高2800m)まで下山して行われることが多い。
オニヅカ・ビジター・センターとは1986年、スペースシャトル チャレンジャー号の爆発事故で殉職した、ハワイ出身者初の日系宇宙飛行士、エリソン・オニヅカの名前がつけられた施設だ。休憩所と天体の教育施設を兼ねており、敷地内には小、中型の天体望遠鏡が設置され天体観測会なども開かれており、周辺はマウナケア山頂上と変わらない美しい宇宙を観られる場所である。
ハワイ島はこのマウナケアに天文台が設置されていることもあり、島全体で光害を極力少なくするように1988年から屋外照明の条例があるため、星の観測には適している。マウナケア山から最も星が美しくみえるのは、下弦の月から3日後あたりの夜で、この時期の星空は、まさに息を飲むほどの美しさだ。また、天体観測に適さないとされる満月でもがっかりすることはない、運がよければ満月の夜にムーンボウ(月の光で虹が見える現象)を見られる可能性がある。
ハワイ島では季節によって、南十字星などを見られるが、ただ星を見上げているだけでは星座の場所などが解りにくいだろうから、星空に詳しくきちんと説明の出来るガイドがいるとよいだろう。また、マウナケア山頂上付近の道路は保険適応対象外としているレンタカー会社も多く、夜になると街路灯がなく真っ暗で危険だ。登山時には高山病の危険を避けて途中で休憩を取るなどの必要があるので、旅行会社などで募集しているオプショナルツアーへの参加がおすすめだ。
マウナケア スターゲイジング/Mauna Kea Star Gazing
住所: Mauna Kea Access Rd., Hilo (オニヅカ・ビジター・センター) 電話番号: 808-9621-2180 営業時間: 9:00~21:30 定休日: 無休
トーマス・ジャガーミュージアム展望台/Thomas A. Jagger Museum
「トーマス・ジャガー・ミュージアム」は、1985年に、火山に関するハワイの神話や、ハレマウマウ火口に立てられた火山研究所の研究成果などを多くの人々に知ってもらうために立てられた火山博物館だ。この博物館の名前の由来でもあるアメリカの火山学者トーマス・A・ジャガーは、弁護士でありビジネスマンだったローリン・サーストン氏などの援助を得て1912年にハレマウマウ火口の縁に火山観測所を設立したハワイの火山研究の第一人者だ。
「トーマス・ジャガー・ミュージアム」の館内には、キラウェアの噴火の歴史や、火の女神ペレの神話などが展示され、様々な溶岩の実物標本などが展示されている。一方、博物館の外にはキラウェアのカルデラを一望出来る展望台があり、遮る物がなく、風向きによっては硫黄の香りも漂うこの場所からは、カルデラの中で活発に活動し、噴煙を吐きだしているハレマウマウ火口を一番近くに見られる。多くの観光客が足を止め火口を見学している。
24時間開放されているこの展望台は周囲が開けているので、日の出や日没後にはより美しくハレマウマウ火口のマグマを観察できる。天気がよければ朝日や夕日と共にマグマに赤く照らし出される美しい景色を見ることもできるだろう。しかし、この時間帯の景色はとても人気があり、展望台も混み合うので早めに行くか、オプショナルツアーに参加するのもよいかもしれない。天気次第ではカルデラに架かる虹を見られることもあるだろう。ハワイ島を訪れるのなら一度は足を運びたい、地球の息吹が感じられるスポットだ。
トーマス・ジャガーミュージアム展望台/Thomas A. Jagger Museum
住所: Hawaii Volcanoes National Park, Volcano, Hawaii 電話番号: 808—985-6000 営業時間: 10:00~20:00 定休日: 無休
アカカ・フォールズ州立公園/Akaka Falls State Park
有名なハワイアンソングにもなっている『アカカ・フォールズ』は「アカカ・フォールズ州立公園」の中にあり、1年を通してたっぷりとした水量を誇るハワイ島で最も有名な滝だ。落差135mの「アカカ・フォールズ」と、落差30mの「カフナ・フォールズ」が一望でき、マイナスイオンとハワイのマナ(神聖なパワー)が宿る神聖な場所といわれている。
2つの滝は1周20分ほどの緑豊かな周回コースになっており、反時計回りに、「カフナ・フォールズ」から「アカカ・フォールズ」へと辿るのがメインルートだ。このルート沿いには最初に落差の小さな「カフナ・フォールズ」を見るため、「アカカ・フォールズ」がより迫力を増して見られるからである。レンタカーがないと訪れるのに少々不便な場所ではあるが、8時30分から18時の間なら広い駐車場に車を停められるが、この駐車場を利用する場合には入場料と駐車料が自動車1台につき$5、人間のみで訪れる場合に1人$1がかかる。