気が進まない朝子さん
仲の良い友人なら、自ら進んで余興をしただろう、と朝子さんは言います。
「数年間一緒に働いた後輩ではあるのですが…頼み方も雑な感じだし、気が進みませんでした。でも建前として、後輩の門出を祝うべきなのか?と悩みました」
どうすべきか考えるにつれて、朝子さんのモヤモヤは増していきます。
「悩んでいるうちに、『そういえば会社が関連しているイベントで歌ったこともあったな〜』とか思い出したんです。そのイベントは同僚もたくさん来てくれたんですが、思い返すと、里香ちゃんは来ていませんでした」
マウンティングじゃない?
よくよく考えてみると、里香さんに関して全く良い思い出のない朝子さん。
「悩むほどになんだか『あんなにそっけなかったくせに、どうして今さら!』とイライラしてきたので、友人に相談することにしました」
すると朝子さんの友人は「そんなの、マウンティングじゃない?もしくは友達がいないから人数合わせだよ。それにFacebookのメッセージで頼むってないわ〜」と一蹴。
「友人は、『◯曲でいくら、◯曲ならいくらになります』ってビジネスとして対応するのもいいんじゃないか、とアドバイスしてくれました」
仕事としてなら歌ってもいいかな、と思った朝子さんは里香さんに返信。歌の準備には手間とお金がかかることをやんわりと説明し、余興する場合の料金を伝えました。すると「彼に相談してみますね」と返事があった後、音信が途絶えたとのこと。
「後輩のよしみで無償で歌うべきかと悩みましたが、自分の気持ちがスッキリする方を選択して良かったです」と朝子さん。
彼女のように、プロとして活躍している方に余興をお願いする場合は、頼む側も配慮が必要ですね。いずれにせよ気が乗らない結婚式への招待は、後から波風が立たないように、上手に断るスキルを備えておくといいかもしれません。
―冠婚葬祭のトホホ―
<取材・文/まなたろう イラスト/やましたともこ> まなたろう 多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きで資格を取得中。海外に12年ほど住んでいたため、英語はそこそこ堪能。
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