おすすめの資格をご紹介するこちらのシリーズ。

今回は、営業職と相性の良い資格第三弾として、「販売士」について紐解いていきます。

販売士とはどんな資格?

販売士検定を受験することで取得できる資格で、運営は日本商工会議所です。

接客の基本からマーケティングまでを広くカバーした資格で、小売業や流通に携わる多くの人が受験・取得している資格です。

販売士には3級、2級、1級があり、各級によってレベルが異なります。

  • 3級…<売場販売員レベル>販売員として最も重要な接客マナー・商品知識・販売技術など、主に接客業務に関する知識を問われます。

  • 2級…<売場管理者レベル>3級の接客業務に関わる知識に加え、従業員の育成・指導、仕入・在庫管理など、店舗管理に必要な知識が問われます。

  • 1級…<店長・経営者レベル>商品計画・商品予算の策定などの商品企画から、マーケティング政策の立案などのマーケティング知識全般、人事・労務・財務管理など企業運営に必要な総務全般の知識が問われます。

3級/2級は2月・7月の年に2回試験がありますが、1級は2月のみ受験が可能です。

参考:日本商工会議所

資格図鑑/営業職×資格③<販売士検定>
(画像=『転職の地図』より引用)

販売士検定は以下のような人に受験者が多く見られます。

  • 小売店の販売員や売場責任者、店長
  • 小売店の経営者や管理者
  • 製造業、サービス業、卸売業などの販売業務担当者
  • 流通・小売業界に転職したい人

なぜ、販売士の資格が営業職に役立つの?

販売士はどちらかというと「小売店の販売員向け」「BtoC」のイメージが強いかと思いますが、営業職にも十分に活かせる資格です。

ビジネスでの振る舞い、セールススキルが身に付く

販売士検定の「接客の基本」が、ビジネスシーンでの対応に応用できるという側面があります。

実際に、入門レベルの3級を社員教育の一貫として取り入れる企業もあるようです。

また、「モノ(サービス)を売る力」が身につくのも魅力。

BtoCで相手に「欲しい」と思わせる技術は、BtoBでも応用が可能です。

一見、販売士の資格は直接営業職と関係がないように見えますが、営業のシーンでこのように活かせるのです。

マーケティング知識が身に付く

レベルはグッと上がりますが、1級の受験は3級の接客マナー・2級の店舗管理に加えマーケティングの知識が求められます。

店舗を動かすにはどうすれば良いか…。

俯瞰して見るために必要なのは、マーケティングの知識です。

マーケット(市場)において、今自社はどの立ち位置におり、競合はどのくらいいて、どのような作戦を打ち出すべきなのか。

販売士検定では、このような知識・視点を磨くこともできます。

モノ(サービス)の流れを把握できれば、点ではなく線で市場を捉える力が身につき「売って終わり」という完結型の思考から脱却できるでしょう。

また、マーケティングの知識を持った営業になれば、他部署(マーケティング部)との連携もよりスムーズになります。

もちろん、営業職からマーケティング職へ転職するなど、ご自身のキャリアチェンジにも役立ちます。

経営者視点を磨ける

1級の受験では「経営者の視点」を身に付けることも不可能ではありません。

1級の検定の内容にはマーケティングのほか、人事・労務・財務管理など企業運営に必要な総務全般の知識が求められるためです。

普通に働いていると、自分のポジションばかりにフォーカスしがちになります。

が、資格取得をきっかけに他部署のことや企業の仕組みなどにも目を向け、社内の仕組みを点ではなく線で捉えることができるようになります。

これは前項にも共通しますが、組織や市場はある1つの突発的な事象ではなく、連続したものです。

販売士の資格では、そういった「流れ」を多面的に捉えるヒントが凝縮されています。

社内外共にビジネスの流れを掴むには、ピッタリの資格と言えそうです。