一目ぼれして飼い始めた仔犬が、少しでも離れると鳴き続けるようになってしまったら? 仕事に行くこともできずに会社を辞めてしまった主人公・里美を、女優の松本穂香さんが演じる特集ドラマ『ペットにドはまりして、会社辞めました』(NHK総合)が22日(火)よる10時45分~放送になります。
『ペットにドはまりして、会社辞めました』より
今ならではの時代感と、普遍性を兼ね備えた本ドラマの脚本を担当した作道雄さん(『神さまの轍-CHECKPOINT OF THE LIFE-』『いのちスケッチ』『鬼ガール!!』ほか)にインタビュー。
“依存”をテーマにした本作について聞きました。
どんなドラマなんだろうと気になるタイトルに
――印象的なタイトルです。
『ペットにドはまりして、会社辞めました』より
作道雄さん(以下、作道)「流行りの全部言っちゃう系のタイトルです(笑)。夜帯の単発スペシャルですし、できるだけ多くの方の目に留まる作品にしたいと思いました。それで、かっこつけるのではなく、タイトルだけでどんなドラマだろうと思ってもらえるシンプルなものにしたほうがいいと思い、提案させていただきました」
依存を否定しないドラマに
――主人公がペットへの溺愛から会社を辞めてしまうというのは、最初にすっと浮かんだのですか?
作道「そこを入り口にしようと。ペットにドはまりして会社を辞めるのは、開始の3分くらいなんですけどね。会社を辞めた後の人の話なので。頭はすぐに浮かびましたが、そこからが大変でした」
『ペットにドはまりして、会社辞めました』より
――というと。
作道「最初にNHKさんと企画をお話ししたとき、ペットを題材に3つほど案があがっていたんです。そのなかで僕が一番興味を持ったのが“依存症”でした。ただ、依存を否定しないドラマにしたいと思いました。
啓発するのではなく、むしろ依存をある種肯定できるようなドラマになったら価値があるというか、あまり見たことのないドラマになるんじゃないかと。ただ、肯定したいのにどうやって肯定したらいいのか、しばらく見えない時期があったんです。自分が作り出した人物なのに、『勝手な人だなぁ』と、だんだん主人公の里美のことが嫌いになってしまったときもありました。
でも、一緒にいないと犬がキャンキャン鳴きわめいてしまうといった、最近よく聞くようになった分離不安症は、離れている時にお互い不安を感じてしょうがないという点で幸せではなくて、だからよくないんだな、と感じました。つまり、依存自体がいい悪いではない。本人次第なんだ、と見えてからは進んでいきました」
『ペットにドはまりして、会社辞めました』より