厳しい寒さが少しずつゆるみ、花のつぼみが膨らみはじめる春。思わず外に出かけたくなりますよね!子どもとのお出かけを予定している方も多いのではないでしょうか。
そんな時には、ぜひカメラをお供に連れて行ってください。その理由は、「春の優しい光」が子どもの撮影にピッタリだからです。
そこで今回は、「春の優しい光を使った子ども写真の撮り方」をご紹介します。いつもと同じように撮ってもどこかが少し違う、そんな春の撮影をめいっぱい楽しみましょう!
[講師]フォトグラファー aimi
子ども写真には春の光がぴったり!
まずは、春の光にはどんな特徴があるのか、またどうして子ども写真との相性がいいのかを説明します。カメラを通すからこそわかる春の特徴が見えてくるはずです。
他の季節とは少し違う、春の光
「春の光はやわらかい」そんなイメージがありますよね。温かな春は、気温の上昇とともに光の質も変化していきます。その理由は、春の太陽の高度にあります。
春の太陽の高度は、午前9時ごろには30°に達し、午後3時ごろまで30°以上を保ちます。また、一番高度が高い時間帯でも50°程度です。
ポートレート撮影に最適と言われる光の角度45°に近い高度を、長い時間キープするのが春の太陽なのです。
春の光が子どもの写真にぴったりな理由
春の太陽は、夏と比べて低めの高度を通るため、やわらかい光を届けてくれます。やわらかい光によって、子どもにぴったりな優しいイメージの写真が撮りやすくなります。また、やわらかい光は扱いやすいため、逆光撮影にもおすすめです。
撮影におすすめの時間帯
春の子ども写真の撮影におすすめの時間帯をご紹介します。
まずは、ポートレート撮影に最適な斜め45°からの光が注ぐお昼前後。やさしい光が適度な影をつくり出すため、春らしいやわらかなイメージの写真が撮れる時間帯です。満開の桜や菜の花など、色とりどりの花と一緒に撮影しましょう。
そして、もうひとつは少し日の落ちだした夕方の時間帯です。冬の撮影では寒々しいイメージになりやすい夕方も、春の撮影なら適度にアンニュイなイメージを演出してくれますよ。
撮影におすすめの場所
春に子ども写真の撮影をおこなうときは、できるだけ太陽の光をさえぎるもののない場所がおすすめです。広い公園や、太陽の光の入る時間帯の屋内を選びましょう。
また、春ならではのさまざまな種類の花が咲く彩りの多い場所もおすすめです。子どもと一緒に外へ撮影に出かけるときは、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
実践!春の優しい光を使った子ども写真の撮り方
春の子ども写真の撮影は、「写真撮影の練習」にも最適です。ここからは、春のやわらかい光をうまく写真に取り込む方法をご紹介します。以下の4つのポイントをおさえるだけで、写真がぐっと魅力的になりますよ。
ポイント①|光と仲良くなろう
実は、春の撮影は「写真撮影の練習」にも最適です。その理由は、他の季節に比べて太陽の光が扱いやすいためです。強すぎず弱すぎもしない春の太陽の光は、被写体に自然な影をつくり出します。
光の向きに注目しながら、いろいろな角度で写真を撮ってみましょう。例えば被写体の顔に対して斜めに入る光は、適度な影をつくるため表情がはっきり写りやすくなります。ピントや適正露出を合わせやすいのもこの斜めの光です。
また、春の光は逆光撮影にもおすすめです。強すぎない太陽の光が優しい影をつくり出します。被写体の斜め後ろから光を入れるイメージで撮ると、影が落ちすぎずきれいに光が回ってくれますよ。
ポイント②|おすすめの構図
木々や花が色づきだす春の撮影では、ぜひ色とりどりの自然を差し色に使ってみましょう。春の彩りは、表情豊かな子どもとの相性ばっちりです。また、写真の構図に少し工夫をすることで、簡単に春らしい写真を撮れますよ。
ポイントは、色とりどりの自然を被写体の前と後ろにぼかして入れることです。また、被写体を真ん中ではなく左右どちらかに少しずらすことで、さらに春らしさをいかした写真が撮れますよ。
ポイント③|おすすめのカメラ設定
春の子ども写真におすすめのカメラ設定は、「絞り優先モード」です。できるだけ絞りをあけて(F値を下げて)ボケをいかした写真を撮りましょう。明るい単焦点レンズをお持ちの方はぜひ使ってみてください。カメラのモードに関しては、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
強い影が落ちにくい春は、大きなボケをつくっても全体が明るく写ります。季節によっては難しい前ぼかしもきれいに入れやすくなるので、ぜひ試してみてくださいね。
ポイント④|使ってみてほしい小技
次は、春の光を使った子ども写真の撮影に試してみてほしい小技をご紹介します。
まずは逆光撮影のときに使える小技、「光源を写真におさめてみる」です。太陽の光を直接カメラで撮影します。ポイントは斜め上に光源が入るようにすることと、ISO感度を下げておくこと。光の強い季節には出せない、やわらかく回る光が撮れます。
もうひとつ試してみてほしい小技が、「小道具を使った前ぼかし」です。
カメラを持っていないほうの手で花や緑の葉を持ち、画角に少しだけいれて前ぼかしをつくりましょう。春の光は全体に均等に回りやすいため、強いぼかしを使ってもきれいな発色が得られます。