かつて「不動産バブル」という時代もあったように、不動産投資は古くから多くの投資家を魅了しつづけている投資手法です。近年では、一般企業に勤めながら不動産投資をしている「サラリーマン大家さん」も増えてきました。
では、なぜ数ある投資手段の中から不動産投資が選ばれるのでしょうか。その理由は大きく2つあります。
理由1. 不動産投資は資産運用の「フロー」と「ストック」を備えている
「フロー」とは、定期的な収入のこと。例えば、勤めている会社から支給される給与や、自分で経営している事業から得られる事業収入などもフローと言えます。
これに対して「ストック」は、一定時点における結果=資産のことです。私たちの生活に身近なもので言えば、現金や預貯金、また保険や年金の準備金なども当てはまります。
そして、この「フロー」と「ストック」を資産運用という観点から見たときに、「不動産投資」はその両方においてうまみのある投資方法なのです。
フロー型の資産形成からみた不動産投資
不動産投資においてのフローは、毎月の家賃収入に当たります(不動産投資は銀行などから融資を受けて行うことが多いので、正確には家賃収入から返済額を差し引いた額がフローとなります)。
株式投資のフローは配当金や利子になりますが、これは年に1回や2回など頻度が低いものです。一方、不動産投資のフローである家賃収入は頻度が高く、給料のように原則として毎月入ってくるのがポイント。
本業を持っている人なら、毎月安定したフローを手にしたいけど、複雑な資産運用で手続きに時間を割きたくないと考えるのが正直なところです。その点、入居者が埋まっている限り毎月安定したフローを得られる不動産投資は、資産運用の良い選択肢と言えるのではないでしょうか。
ストック型の資産形成からみた不動産投資
不動産投資におけるストックは、不動産の評価価格そのものです。
また実は、金融機関から受けた融資の分の負債もここに含まれます。「借金なのに資産なの?」と思う人もいるかもしれませんね。しかし、不動産投資では残債が減るにつれ、外部に流出しない利益=内部留保が溜まっていることと同じ意味と考えることができるのです。
不動産の評価価格が残債額を上回る状態になれば、その不動産を売った時に利益を得られるということになります。資産価値が大きく高まれば、一気に富裕層の仲間入りを果たすことも夢ではありません。
理由2. 他人資本の活用によるレバレッジが可能
不動産投資が魅力的と言われるもうひとつの理由、それは、「他人資本を活用することでレバレッジを利かせられる」ことです。レバレッジの語源は、「テコの原理」。つまり、小さな力でも重いものを動かせるという意味ですね。
金融機関から資金調達することによって大きな資産を持ち、投資の運用ができることは、不動産投資の大きなメリットと言えます。
株式や債券などへの投資を、銀行から資金調達して行う人はほとんどいません。カードローンやクレジットカードのキャッシングなどでお金を借り、FXや信用取引などハイリターンの望める投資に資金を投入するのも可能ですが、このようなやり方はあまりにリスクが高い方法です。
その点、不動産投資はまっとうなやり方で銀行から資金調達できる、数少ない資産運用方法なのです。
不動産投資のリスクも理解しておこう
不動産投資は、働かなくても収入が入る「不労所得」の代表格。不動産を持っていれば、働けなくなった老後も定期的な収入が入ってきます。
ただし、不動産投資には次のようなリスクもあります。
- 思ったように賃貸がつかない「空室リスク」
- 環境が変化し当初よりも家賃が下がる「家賃下落リスク」
- ローンの金利が上昇するリスク
- いざ売却しようと思った時に買い手がつかない「流動性リスク」
- 買い手はつくものの物件の価値が下がり、購入した時よりも低い金額でしか売却できないリスク
そして自然災害で物件そのものがなくなってしまうリスク 不動産投資を始めるときには、このようなリスクを考慮した上で物件を決めたり、保険に入るなどのリスク対策をする必要があります。
老後のための資産形成として人気の不動産投資ですが、始める前にはリスクについてもしっかり勉強するようにしましょう。
文・Talei(フリー編集者・Webマーケター、JSA認定ソムリエ)
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