ソシオパスとサイコパスの違いと見分け方は?ソシオパスとサイコパスは言葉からも似ていますが、意味は異なります。どう異なるのか分かりやすく説明します。

「ソシオパス」「サイコパス」という言葉の意味を何となく理解していても、細かな違いが分かっている人は少ないでしょう。同じような特性が見られますが、さまざまな違いがあるのです。

そこで今回は、ソシオパスとサイコパスの違いについて、詳しく解説します。

ソシオパスとは?

ソシオパスとは、反社会性パーソナリティ障害という精神疾患の一種。その名の通り、社会性に乏しく、ルールを破ったり、人を騙したりなどの特徴が見られます。自分の利益のためなら、罪悪感なく他人を陥れ、場合によっては犯罪行為を行う恐れがあります。

周囲から非難されても、言い訳や責任転嫁をし、悪びれる様子がありません。なぜ自分のために人を傷つけてはいけないのか、理解できないのです。

なお、ソシオパスは後天的な障害です。ネグレクトや暴力暴言などの虐待歴があるケースが多く、何らかのトラウマが原因と言われています。子供時代に人との愛着形成ができないと、相手の気持ちがわからず、人格に悪影響が出るのでしょう。また、身近に反社会性パーソナリティ障害の人がおり、憧れの念から模倣する形でソシオパスになるケースもあります。

サイコパスとは?

サイコパスも、反社会性パーソナリティ障害の一種。ソシオパスとサイコパスは、医学的には同じ特性を持った障害に分類されます。ソシオパスと同じく、社会性や共感力に乏しい故に、自分の利益のためにためらいなく他者を傷つけるのが特徴です。

ソシオパスが後天的な障害であるのに対し、サイコパスは先天的な人格障害です。周囲の環境に関係なく、善良さがありません。サイコパスは遺伝性があると言われています。近親者がサイコパスの特性を持っていると、発症リスクは高まる傾向があるのです。

ただし、反社会性パーソナリティ障害を持っている人は、子供にネグレクトや虐待を行うケースがあり、親と子の成育歴を調べなければ、遺伝による先天性のサイコパスなのか、後天的なソシオパスなのかの見分けは困難でしょう。

ソシオパスとサイコパスの違い15個

『Spicomi』より引用
(画像=『Spicomi』より引用)

ソシオパスとサイコパスは同じ反社会性パーソナリティ障害に分類されますが、以下のように細かい違いがあります。

ソシオパス サイコパス
1 原因は後天的なもの 原因は先天的なもの
2 環境因子が強い 遺伝性が強い
3 衝動性が強い 狡猾で計画性が高い
4 しばしば感情を爆発させる 感情の欠如が見られる
5 社会からはみ出し非難されやすい 巧妙に社会に溶け込む
6 先を考えないので隙がある 慎重で警戒心が強く隙がない
7 人をまとめる力がない しばしばリーダーシップを発揮する
8 人間関係に問題を抱えやすい 表面上人間関係を上手くこなす
9 トラブルを起こしやすく転職が多い 仕事での成功者が多い
10 総合的な判断ができない リスクを考えて行動できる
11 感情のコントロールが苦手 冷酷でポーカーフェイス
12 承認欲求が強い 目的のための行動が高評価を受ける
13 自分の理解者に愛着を示すことがある 他者に愛着をもつことはない
14 問題が表面化しやすい 社会に適応するケースも少なくない
15 治療での改善が見込める 先天性なので治療は難しい

最も大きな違いは原因因子です。サイコパスが生まれながらの気質、特性が原因の先天性であるのに対し、ソシオパスは環境による後天的な原因で起こります。

どちらも18歳以上にならないと診断はおりませんが、先天性のサイコパスは幼少期から特性が見られます。一方、ソシオパスは後天的なものが原因なので、多くは成育歴に問題がありますが、中には大人になってからの環境変化によって発症する可能性も考えられます。