4.発情期に見られるオス猫の行動と対策は?

猫の発情期の特徴や時期・期間・対策について獣医師が解説!
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

オス猫には、メス猫のような準備期間がありません。
体が成熟していればいつでも交尾が可能。発情したメス猫の声や匂いに誘発されると、大声で鳴き出したり、外に出たがったりという行動が見られるようになります。

  • 大声で鳴く
  • スプレーする
  • 外に出たがる
  • 攻撃的になる

大声で鳴く

恐らく1度は、赤ちゃんのような猫の鳴き声を聞いたことがあるでしょう。
発情期の猫は、大きな声で昼夜問わずに自分の存在をアピールします。近隣トラブルを防ぐため、事前に防音対策をしておきましょう。

スプレーする

スプレーとは、やや腰を高くし、尾をピンと垂直にして立ち、軽く身震いしながら1~2mlほどの尿を壁などに向けて発射する行動です。
存在とテリトリーを誇示し、メス猫を招き寄せるための行動だといわれており、尿マーキングとも呼ばれています。

縄張りの通り道、別の猫による縄張りの境界部分、扉の周囲、玄関先、新しい家具は要注意。スプレーのニオイはなかなか取れません。少しでもこのニオイが残っていると、何度もするようになるでしょう。
しっかりとお湯で洗ったり、酵素系の漂白剤で洗浄したりして、消臭する必要があります。

スプレー行動は去勢によって約90%がなくなりますが、残り10%は環境の見直しやストレスの確認が必要です。多頭飼育で個々の縄張りが少ない場合、引っ越しでストレスがかかった場合は要注意。なかには治療が必要な場合もありますので、環境改善で治らない場合は獣医師にご相談ください。

外に出たがる

発情するとオス猫はそわそわと落ち着がなくなり、外に出たがるようになります。
しかし、発情期のオスを外に出してしまうとご近所に排泄したり、メス猫を妊娠させたりと近隣トラブルに発展しやすく、オス猫とのけんかで治療法のない感染症を受けてくる可能性も少なくありません。
窓や玄関には脱走防止柵を付けて、脱走を防ぎましょう。

攻撃的になる

繁殖期を迎えると、オス猫は攻撃的になる傾向があります。猫同士でけんかした傷は化膿しやすく、再発しやすいので、抗生剤の投与だけでなく傷口の洗浄が必要です。傷だけなら治りますが、治療法のない感染症にかかると手の打ちようがありません。
けんかを防ぐためにも、発情期の猫は外に出さないようにしましょう。

5.不妊手術(避妊・去勢)は必要?

発情期に起こるさまざまな問題をなくすには避妊・去勢手術という方法が有効です。
しかし、手術をするかどうかで悩まない飼い主さんはいないでしょう。ここでは不妊手術のメリットについてご紹介します。

不妊手術のメリット

1つ目は、発情時のストレスによる不調がなくなること。
人の生理と同様、猫も発情によって体調や食欲が不安定になります。しかし、不妊手術によって一定の元気を保てるようになるでしょう。

2つ目は、発情時の大きな声や生殖器の病気がなくなること。
乳腺腫瘍の発生率も減少します。

3つ目は、スプレー行動がなくなる可能性が高いこと。
メス猫を取り合う必要がないので、オス猫同士のけんかも減少するでしょう。交尾がなくなり、けんかも減少すれば、治療法がない感染症から愛猫を守ることができます。

そして、何よりも望まない妊娠を避けることができます。
猫は交尾の刺激によって排卵するため、交尾をするとほぼ100%妊娠するといわれています。猫1匹から最大8匹の子猫が生まれるので、避妊をせずに繁殖し続けてしまうとあっという間に増加。里親を見つけられなければ、殺処分になりかねません。
望まない妊娠を防ぐことは不幸な命を救うことでもあります。

6.まとめ

大声で鳴いたり、スプレーしたり。どんなにおとなしい猫でも発情期は変わります。
こうした行動を抑えるうえで、不妊手術はとても効果的です。

しかし、麻酔のリスクや体への負担などデメリットもゼロではありません。愛猫と飼い主さんにとってどのような方法が最善なのか、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
不安な場合は、セカンドオピニオンを求めても良いと思います。不妊手術のメリットとデメリットを理解したうえで、発情期に備えてください。


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

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