7.猫のワクチン接種の頻度や回数は?

6か月齢までに3から4回、6か月から1才のタイミングで追加接種というのが、ガイドラインに定められた接種パターンになります。以降、年1回接種するのが一般的です。
接種パターンは飼育環境に応じて獣医師が判断しますので、かかりつけの動物病院にてご相談ください。

8.愛猫にワクチン接種させる前後に気を付けたい点を紹介

猫のワクチン接種が必要な理由や予防接種の種類・費用、副反応のリスクについて解説!
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

健康を脅かす感染症を防ぐためにワクチンは欠かせないものですが、人のワクチン同様、副反応はゼロではありません。特に子猫の場合は注意が必要です。ワクチン接種の前後で気を付ける点をチェックしておきましょう。

ワクチン接種前に気を付ける点

健康な体に病原体の種を植えつけて免疫力を育てるのが、ワクチンによる免疫増強の仕組みです。食欲がなかったり、体調が思わしくなかったりする時は、ワクチン接種の可否を含め、まず獣医師に相談しましょう。
また、治療中の病気や服用中の薬がある場合も、必ずかかりつけの獣医師に申告してください。

ワクチン接種後に気を付ける点

副反応はワクチン接種の約10分後から数時間後に出てきます。ワクチンはできるだけ午前中に接種し、午後もできるだけ在宅して、愛猫に異変が見られた場合はすぐ動物病院に電話をして指示を仰いでください。

接種して1週間は安静にさせましょう。興奮する遊びや激しい運動、シャンプーは避けてください。
接種して2~3週間は免疫が作られていない可能性がありますので、外出させないことをおすすめします。他の猫と接触する場所に連れて行くのは、接種後3週間を過ぎてからが良いでしょう。

9.猫のワクチン接種による副反応

日本小動物獣医師医学会の報告によれば、何らかの副反応があった事例は全体の1.25%(2008年4月から2012年7月までに行われた10620接種のうち133接種)です。その内訳は「元気がない、食欲がない(117例)」「発熱(66例)」「アナフィラキシー(1例)」。

副反応には、注射部位にしこりの発生、顔面の腫れ、皮膚のかゆみ、下痢などもあります。アナフィラキシーは非常に少ない発症率ですが、発症する場合は接種後10分程で起こります。チアノーゼや嘔吐、呼吸困難などの症状が見られた場合は、すぐ動物病院に連れて行きましょう。

【参照】「猫のワクチン接種後の急性副反応に関する調査」

10.猫にワクチン接種を打たない場合のリスクについて

ワクチンで予防できる感染症は、いずれも感染力が強く、抗体がなければいつ発症してもおかしくありません。ワクチンを接種しなかったばかりに、愛猫を苦しめてしまったり、高額な治療費がかかったりするのは避けたいところ。ペット保険はワクチン接種を条件にしているケースが多く、ワクチン接種をしていない状態で発症した場合は保証の対象外になる可能性がありますのでご注意ください。

また、ペットホテルでもワクチン接種証明書の提示を求められることがあります。ワクチンを接種したからといって、100%感染症を防止できるわけではありません。しかし、その感染率を大幅に下げ、発症した場合には重症化を防止できます。
愛猫はもちろん、他の猫を守るためにもワクチン接種は有効なのです。

猫の感染症の発症率はどれくらい?

日本獣医内科学アカデミー2009年大会の報告によれば、猫ウィルス性鼻気管炎と猫カリシウイルス感染症は全感染症の約70%。そして完全室内飼育の猫が倍増した近年、猫汎白血球減少症は約1%に激減し、猫免疫不全ウイルス感染症や猫白血病ウイルス感染症よりも少ない感染症になったといわれています。

11.いつの間にか感染している可能性も?

猫のワクチン接種が必要な理由や予防接種の種類・費用、副反応のリスクについて解説!
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

屋外で遊ぶ猫は、ウイルスや細菌に接触する機会が多いため、感染リスクは高くなります。しかし、他の猫とほとんど接触しない完全室内飼育の猫でも、感染リスクがゼロになるわけではありません。

感染経路① 飛沫感染

ウイルスを含む唾液や排泄物を、網戸越しにご挨拶した外猫からもらってしまったり、衣服や靴の裏に付着して飼い主さんが室内に持ち込んでしまったりすることがあります。野良猫が多い地域は特にご注意ください。庭やベランダにウイルス感染した猫が入り込むと感染リスクが高まります。

感染経路② 飼い主からの感染

かわいい野良猫を見かけた時、思わずなでていませんか。飼い主さんが感染している野良猫をなでたり、洋服や靴にウイルスを含んだ唾液や排泄物が付着したりすると、危険なウイルスを家の中に持ち込んでしまいます。

感染経路③ 母子感染

母猫がウイルス感染していると、胎盤や母乳を通じて子猫に感染するケースがあります。グルーミング時の唾液、排泄物への接触で感染することもあります。

12.まとめ

かわいい愛猫にはできるだけ長く健康に過ごしてほしいもの。不特定多数の猫と接する屋外は感染リスクが高く、事故の観点から見ても完全室内飼育が推奨されています。

万が一、感染症を発症した場合はかかりつけの獣医師にご相談ください。多頭飼育の場合は、感染した猫を隔離し、食器やトイレなど使用していたものすべてを消毒しましょう。

後悔しても時間は戻りません。
年1回のワクチン接種で、命を落とす危険から守ってあげてください。


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

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