女性に人気のヨガですが、近年では子ども向けのプラグラムとして「キッズヨガ」が注目されています。

ここでは、

  • キッズヨガとはどんなもの?
  • なぜ注目されているの?
  • 資格講座ではどんなことを学ぶの?

といったキッズヨガに関する疑問にお答えします。

キッズヨガとは?

大人の女性が行うイメージの強い「ヨガ」。

しかし、ヨガには集中力アップやストレス解消、運動不足解消などの様々なメリットがあります。

そうしたメリットを活かして、欧米では子どもたちが健康な心と体で、子どもらしく過ごしていけるよう幼稚園や小学校の教育に取り入れるようになったのが「キッズヨガ」です。

キッズヨガが注目される背景

『YMCメディアカルトレーナーズスクール』より引用
(画像=『YMCメディアカルトレーナーズスクール』より引用)

現代の子どもたちは、都市化する一方で安全な遊び場が減少し、外で遊ぶ機会が減りつつあります。

そのため、子どもが遊びを通して学び、成長する機会と環境は、以前よりも失われています。

文部科学省の調査では、昭和60年頃よりも、子どもたちの体力・運動能力は低下傾向である、という調査データもあります。

参考:平成26年文部科学省「平成 25 年度体力・運動能力調査の結果について」

遊びに占める「絵本」「テレビ・ビデオ」の割合は、10年前に比べて約2倍に増えていることもわかりました。
反対に「自転車・三輪車など」は、20年前から約30%も減少傾向にあります。

参考:日本小児保健協会の調査

活発に体を動かす遊びの機会が少なった結果、かつては幼児期に身に付けていた動きが現代においては十分にできておらず、自分の体の操作が未熟な子どもが増えています。

その点、ヨガのポーズは多様性があり、普段使わない筋肉を動かします。

また、体力は、人間の活動の源です。

意欲や気力といった精神面の充実にも大きく関わります。

子どもにとって体を動かす遊びは、どんなことにも意欲的に取り組む態度を養い、健やかな心を育てることにも効果があります。

米国ではヨガを学校教育に取り入れる活動が活発になっており、27の州において150校で実践されるなど、一大ムーブメントが起こっています。

その活動はカナダ、メキシコ、オーストラリア、スイス、日本にも広がりを見せています。

人の脳は6歳までに90%が完成する

『YMCメディアカルトレーナーズスクール』より引用
(画像=『YMCメディアカルトレーナーズスクール』より引用)

私たちの脳はどのように成長するのでしょうか?

「2001年世界子ども白書(ユニセフ)」において、脳は新生児期から急速に成長すると記されています。

またさまざまな研究によって、脳は3歳までに80%、6歳までに90%が完成すると言われています。

脳の神経は、赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいる妊娠2か月めごろからつくられ始め、3歳ごろまでには大脳、小脳、脳幹という基本構造がほぼできあがります。

さらに成長し、子どもの脳は6歳で大人の脳の9割まで成長し、小学校を卒業する12歳でほぼ完成します。

つまり、将来頭の回転が早い人になるかどうかは、この時期にしっかりと働く脳をつくることがとても大切である、ということが様々な研究で明らかになっています。

運動神経は、脳の働きが大きく関係する

運動神経は、「神経」と言うことからもわかるように、脳の働きが大きく関係しています。

「投げる」という動きを行うためには、脳から指令が出てそれがニューロン(神経細胞)からニューロンへ、シナプスを介して伝達します。

シナプスとは、ニューロンと他のニューロンとの接合部分のこと。

脳から脊髄(せきずい)、末しょう神経、筋肉へと電気信号を用いて伝えていきます。

この回路が、いわゆる「運動神経」と言われるものです。

「投げる」という経験を繰り返すことで運動神経はつくられていきます。

同じように、「走る」「跳ぶ」「回る」など、さまざまな動きを経験すると、そのたびに、回路がつくられます。

この回路のバリエーションが多いほど、運動神経がいい子に育ちます。

幼少期に大切なのは、さまざまな運動体験をすること。

そうすることで、基本的な運動スキルが養われていきます。

外で遊ぶ機会が失われているということは、すなわち「運動神経」の低下につながっているのです。

キッズヨガの特徴

『YMCメディアカルトレーナーズスクール』より引用
(画像=『YMCメディアカルトレーナーズスクール』より引用)
  • リラクゼーションの方法を学ぶ
  • 心と体のバランスやサポートの仕方を学ぶ
  • ストレスの解消法を学ぶ
  • 自尊心や自己肯定感の保持
  • もの、ことへの需要能力の向上
  • 忍耐力の向上
  • ポジティブな態度や行動を習得する

といったことを育てることにあります。

そのため、ヨガで多用されるサンスクリット語や瞑想(メディテーション)、チャクラなどの言葉は、宗教性を連想させるため、使用しないのも特徴です。

ゲームなどレクリエーション的な要素が強く、独創的なポーズを考案させるなど、遊び感覚でヨガのポーズを行います。

例えば、「戦士のポーズ」が「自分の好きなヒーローのポーズ」に変わったりします。

先生と子どもたちが相談をしてポーズの名前を決めることもあります。

シャバーサナなどのリラックスタイムの代わりに、「お絵かきタイム」を設け、自分の好きな動物の絵や今日のクラスで行ったキッズヨガの好きなポーズを描いたりすることもあります。

キッズヨガではポーズの正確性ではなく、子どもたちが楽しんでのびのびとリラックスした状態でヨガを行うことが目的です。