2022年4月から首都高速道路が値上げされます。値上げの対象となるのは、走行距離が35.7㎞を超える場合です。値上げの内容について詳しく解説します。

ETC車、対距離料金の範囲と上限料金を見直し

首都高速道路を走るETC車は、対距離料金(距離に応じた料金)を基本としています。普通車では現在、走行距離が35.7㎞までの場合は距離に応じた料金が加算されますが、35.7㎞を超えると走行距離にかかわらず1,320円で固定されています。

4月1日からは、対距離料金の範囲が55.0㎞、上限料金も1,950円に変更されます。なお、料金の下限300円には変更ありません。

現行 2022年4月1日~
料金の下限 300円 300円
対距離料金の範囲 35.7㎞まで 55.0㎞まで
対距離料金を超えた場合の上限料金 1,320円 1,950円

つまり、走行距離35.7㎞までについては現行と同じ料金ですが、35.7㎞を超えて走る場合は値上げされることになります。

たとえば、以下のように変わります。

・川口JCT~用賀(走行距離38.6㎞)は現行1,320円→4月以降1,420円 
・さいたま見沼~並木(走行距離86.6㎞)は現行1,320円→4月以降1,950円

なお、現金で支払いをする普通車についても、現在1,320円となっている基本料金が1,950円に値上げされます。

値上げの理由は「都心部の渋滞緩和」

首都高速道路株式会社では、今回の値上げの理由を「都心部の渋滞を緩和するため」としています。

現在、35.7㎞超の利用については1,320円の上限料金を設定しており、長距離になるほど1㎞あたりの料金が割安になります。

首都高(株)は「そのため、都心部通過の際に首都高を通る車が多くなり、都心部の渋滞を引き起こす一因になっている」という見解を示しています。

そこで、これまで割安になっていた35.7㎞超~55.0㎞の走行距離についても、4月以降は距離に応じた料金を加算、現行よりも値上げされることになったのです。