5.犬の去勢における手術にリスクはある?

全身麻酔によるリスクや傷口の炎症が懸念されます。
万が一、麻酔薬に対して過敏反応が見られた場合、死に至る可能性はゼロではありません。こうしたリスクを避けるため、麻酔をかける前に獣医師による触診、検温、血液検査などを行います。

また、短頭種はもともと気道が狭いため、全身麻酔をかけると気道閉塞を起こす可能性があります。去勢手術と合わせて鼻腔狭窄や軟口蓋過長症の処置をすることもありますが、手術後は細心の注意を払って観察する必要があるでしょう。

犬の去勢における手術の流れ

去勢手術は、動物病院に行ってすぐにできるものではありません。
事前に診察を受けたうえで手術日を決めます。

手術前

手術日までは、愛犬の体調に変化がないか観察しておきましょう。発熱、嘔吐、食欲不振が見られた場合は延期を相談しまししょう。
また、手術後10日程はシャンプーやトリミングができませんので、手術日の数日前までに済ませておきましょう。
手術日前日のシャンプー・トリミングは避けてください。

当日

手術当日は、朝から絶食・絶水をさせて全身麻酔時の嘔吐や誤嚥を防ぎます。
動物病院では術前検査を行って「全身麻酔や手術ができる状態かどうか」をチェック。問題がなければ手術に入ります。
手術自体は短時間で終わりますが、半日程様子を見るケースがほとんど。日帰りか入院かは動物病院にご確認ください。

退院後

退院後は、傷口をなめないようにエリザベスカラーや術後用の洋服を着用させて安静に。約10日後の抜糸までは過度な運動は避けましょう。

6.犬の去勢手術の費用相場は?

動物病院によって異なりますが、入院なしで15,000円から30,000円程度、1泊入院で30,000円から50,000円を予定しておくと良いでしょう。

麻酔や薬剤の量が多い大型犬、手術リスクを回避するため検査や薬剤が増えるシニア犬、持病を持っている犬は、高額になる可能性があるのでご注意ください。

基本的にペット保険は適用外ですが、適切な時期に去勢手術を受けると病気のリスクが減少するため保険料が割引されるケースがあります。さらに、去勢手術や避妊手術に対して助成金や補助金を設けている市区町村がありますので、愛犬を登録している自治体にご確認ください。

7.まとめ

生後3か月程の子犬は愛くるしい姿を見せてくれます。
しかし、生後6か月頃になると男の子は一変。マーキングや交尾衝動、他の犬に対する攻撃性が目立つようになる子もいます。

去勢手術を行うと、こうした行動をコントロールできるほか、犬のストレスも軽減できます。ドッグトレーニングで対処する方法もありますが、去勢手術は将来起こりうる病気のリスクを軽減できます。

愛犬の性格、健康状態、飼育環境を含めて、じっくりとご検討ください。


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