「数か月前から、毎晩のように、夫から暴行を加えられています」 そう語るのは、小学生の二人の娘を育てる専業主婦の田中真美さん(仮名・40代)。昔からカッとなると手をあげる夫だったそうですが、ここ数年間、仕事のストレスが溜まっているのか暴力がエスカレート。

夫のDVがひどくて今すぐ逃げたい。法律的にはどうなる?

DV夫から今すぐ逃げたい!逃げ場所はどこにある
(画像=『女子SPA!』より引用)

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当初は「現在離婚しても、経済的に一人では子どもを育てられない……」と我慢していたそうですが、先日は、夫に突き飛ばされたせいで、腕を骨折する事態に。骨折をきっかけに自らの生命の危機を感じたという田中さんは、本格的に離婚を考えるようになったとか。

DVが理由で夫と離婚をしたい場合、どのような対処法がとれるのでしょうか。妻が知っておくべき法律をまとめた『妻六法』の著者であり、森法律事務所の副代表弁護士・森元みのり先生に聞きました。

妻六法 ハラスメントから離婚まで、女性がいざという時に頼れる法律をわかりやすく網羅している

モラハラで、子どもと一緒に一時保護してもらえる場所はあるの?

――法律的にみたDVの定義はどんなものなのでしょうか。

法律的なDVの定義とは、「暴力的、経済的、精神的に相手を一方的に支配しようとする一切の行為」を指します。DVは身体的なものだけと考えられがちですが、モラハラ(モラル・ハラスメント)は、精神的な暴力を駆使することで、追い詰め、支配しようとする行為であり、DV の一種とされています。

DV被害者の多くは、「ちょっとおかしいような気もするけれど、夫婦だから仕方がないのかな?」、「暴力や制裁を受けるのは、自分が悪いからだ。自分がもっとちゃんとすればいいのだ」と考えがちです。でも、どんな状況であれ、DVを受け入れる必要はありません。「もしかしたら、自分は DVを受けているのかもしれない」と感じた人は、しかるべき手順を取って、すみやかに配偶者から離れるための手段を講じてください。