9人の監督による「変化」についての短編映画プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS』のSeason2が公開中です。さまざまなクリエイターが監督を務める本プロジェクトで、俳優の志尊淳さんも初監督を務めています。その監督作『愛を、撒き散らせ』で、主演を務める板谷由夏さんにインタビュー。

板谷由夏・46歳「私は基本、ネクラ。とことん悩んで這い上がります」
(画像=『女子SPA!』より引用)
板谷由夏さん   志尊さんからオファーを受けたときのことや、力強いタイトルに感じることなどを聞きました。

映画監督、志尊淳に違和感なし

――俳優としては後輩である、志尊淳さんからの主演オファーを受けていかがでしたか?
板谷由夏・46歳「私は基本、ネクラ。とことん悩んで這い上がります」
(画像=『女子SPA!』より引用)
板谷由夏さん(以下、板谷)「志尊くんが監督をやることには、全く違和感がありませんでした。もともと、役者だけど監督さんのような俯瞰(ふかん)した目を持っていらっしゃると思っていたので。その作品の主演に私をと言ってくれたことは、単純にものすごく嬉しくて、なんの迷いもなく『やらせてください!』と言いました」

――確かに志尊さんはとてもしっかりしている印象です。『愛を、撒き散らせ』は、まっすぐに命と向き合う作品ですが、時期的に、志尊さんが大病を経験された後での撮影でもあります。

板谷「若いのにとか、年齢よりも云々といった言葉じゃ片付かない、いろんなことを客観視して考えることのできる魅力的な人です。以前から肝が据わっている人だと思ってましたけど、ますますストンと何か落とし込んでいる感じはありましたね。現場でも迷いがなくて、必要ないものは撮らないという潔さがありました」

いい映画は想像力や妄想力を発揮させる

――画面に映っているのは、孤独な人たちに寄り添い続ける板谷さん、ほぼひとりです。

板谷由夏・46歳「私は基本、ネクラ。とことん悩んで這い上がります」
(画像=『女子SPA!』より引用)

『愛を、撒き散らせ』より

板谷「そこは出来上がった作品を観て気づきました(笑)。脚本を読んでいる段階では、相手の人のセリフも書いてありますし、その世界の空間として読んでいるので、映像として映っているのは私だけなんだと気づいてなくて。『そうだよな』と(笑)。

 完成した映画に関しては、私はいつも自分の作品を客観視できないんです。ただ志尊組の作品として語るなら、伝えたいことがすごくはっきりしていながら、観る人に『あなたはどう感じますか?』といい意味で委ねてくれていると感じました。いい映画というのは、想像力や妄想力を発揮させてくれるものだと思いますが、この作品もそうかなと思います」