9人の監督による「変化」についての短編映画プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS』のSeason2が公開中です。さまざまなクリエイターが監督を務める本プロジェクトで、俳優の志尊淳さんも初監督を務めています。その監督作『愛を、撒き散らせ』で、主演を務める板谷由夏さんにインタビュー。
映画監督、志尊淳に違和感なし
――俳優としては後輩である、志尊淳さんからの主演オファーを受けていかがでしたか?――確かに志尊さんはとてもしっかりしている印象です。『愛を、撒き散らせ』は、まっすぐに命と向き合う作品ですが、時期的に、志尊さんが大病を経験された後での撮影でもあります。
板谷「若いのにとか、年齢よりも云々といった言葉じゃ片付かない、いろんなことを客観視して考えることのできる魅力的な人です。以前から肝が据わっている人だと思ってましたけど、ますますストンと何か落とし込んでいる感じはありましたね。現場でも迷いがなくて、必要ないものは撮らないという潔さがありました」
いい映画は想像力や妄想力を発揮させる
――画面に映っているのは、孤独な人たちに寄り添い続ける板谷さん、ほぼひとりです。『愛を、撒き散らせ』より
板谷「そこは出来上がった作品を観て気づきました(笑)。脚本を読んでいる段階では、相手の人のセリフも書いてありますし、その世界の空間として読んでいるので、映像として映っているのは私だけなんだと気づいてなくて。『そうだよな』と(笑)。
完成した映画に関しては、私はいつも自分の作品を客観視できないんです。ただ志尊組の作品として語るなら、伝えたいことがすごくはっきりしていながら、観る人に『あなたはどう感じますか?』といい意味で委ねてくれていると感じました。いい映画というのは、想像力や妄想力を発揮させてくれるものだと思いますが、この作品もそうかなと思います」
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