トルコ料理の定番中の定番ともいえるクルファスリエは、トルコに旅行したら必ず食べておきたい料理のひとつです。そんなクルファスリエの名店として知られる、イスタンブール新市街のガラタポート(トプハネ)にある「ファスリ」をご紹介します。
クルファスリエとは?
そもそもクルファスリエとはどのような食べ物なのかご存知ですか?トルコ語でクルファスリエとは、元々は乾燥させた白インゲン豆のことを指します。白インゲン豆をトマトを中心とした野菜で煮込んだ料理のことをクルファスリエといい、唐辛子や肉を入れたり入れなかったりと、家庭やレストランによって微妙に味付けが異なります。
新市街カラキョイにある「ファスリ」
新市街の中でも、カラキョイは特に活気のあるエリアです。古き良き建物が残っており、それらの建物を活かして次々と新しいカフェやレストランがオープンしています。最近はガラタポートという港町が開発されてさらに賑やかになりました。
人気のないお店はすぐに閉店となってしまうことも少なくないカラキョイで、20年の歴史を持つ人気の絶えないレストランが「ファスリ」です。1980年にトルコのリゼで生まれ、高校卒業後にイスタンブールに働きに出てきたメフメト・アキフ・キョセが2001年に始めたファスリエ屋が好評を博し、政治、スポーツ、ビジネス、芸術関係の有名人がこぞって訪れるようになるほどの有名店に成長しました。
「ファスリ」店内の様子
特別な会議が催されたりVIPが訪れることもあるため、120人以上を収容できる5階建ての造りになっていますが、普段は1階と2階のみで営業されています。
店内には、創業者メフメトが掲載されている新聞記事や数々の賞状が壁に飾られてあったり、実際に料理に使用されるスパイスが展示されています。落ち着いた雰囲気ですが堅苦しさもなく、ドレスコードなどもないので気軽に訪れることができます。
「ファスリ」で提供されるクルファスリエの特徴
「ファスリ」のクルファスリエの材料には、他の店舗ではみられないこだわりがあり、それがトルコの定番料理をより美味しくしていることが分かります。
例えば、白インゲン豆はエルズルム産、バターは東黒海地域産、肉はアフィヨン産と、厳選された産地の食材が使われているのです。そして豆を煮詰める銅鍋も、ファスリエ用の特別なものが使用されています。豆の食感は豆とは思えないほど柔らかく滑らかで、中までしっかりと味が染みこんでいます。味付けも濃くなく、塩やスパイスが効いているトルコ料理が苦手な方でも食べやすい味わいです。
暗黙の了解?必ず米を注文
トルコでクルファスリエを注文するとき、ほとんどすべてのトルコ人はピラウというお米も注文し、クルファスリエと一緒に食べます。さらに、クルファスリエとパンも一緒に食べるのがトルコ流です。日本人にはなかなか理解しがたい食文化かもしれまんが、習慣に倣ってピラウもパンもクルファスリエと一緒にぜひ食べてみてください。