中東に多い男性の名前6選
ここからは、実際に中東で多い個人名を見ていきましょう。まずは男性からです。
①ムハンマド
ムハンマドは、アラブ系ムスリムの間でもっとも多いであろう名前。ムハンマド・モハメド・モハメッドなど、言語によって呼び方は異なりますが、流行り廃りに左右されない名前で、知り合いに必ず複数人は存在するというポピュラーな名前です。
ムハンマドといえば、イスラム教の開祖の名前。アラビア語で「神に祝福された者」「神に称えられた者」という意味があり、敬虔なムスリムが子供につける名前としてはこれ以上ないほどに良い名前といえるでしょう。
②ハサン
ハサンは、イスラム教開祖・モハンメドの孫の名前です。
また、ハサンはアラビア語で「美しい」「善良な」という意味があります。日本人でも子供の名付けに「美」を使うことは多いです。美しく良い人間になって欲しいという願いは、世界共通のようですね。
③ユーセフ
ユーセフは、ヘブライ語起源の名前とされています。イスラム教の預言者の名前が由来です。
イスラム教とキリスト教は、厳密には同じ宗教なので、イスラム教典とキリスト教聖書の登場人物は同じであることが多いのですが、このユーセフは、キリスト教聖書に出てくるヨセフと同一人物です。
つまり、ユーセフという名前は、ヨセフのアラビア語形となります。ヨセフを元にした名前は全世界にあり、英語ではジョセフ、スペイン語ではホセ、ドイツ語ではヨーゼフなど、さまざまな形があります。
④サイード
サイードは、アラビア語起源の名前。「幸いなる者」「上に立つ者」という意味があります。
イスラム教とは関係がありませんが、とても人気がある名前です。成功者になって幸福を手にして欲しいという親の願いが感じられる名前ですね。
⑤ラシード
ラシードは、アラビア語の名前で「賢明」という意味があります。
賢い男になって欲しいという願いが込められた名前です。日本でも、子供の名付けに「賢」や「知」という字を入れることがあり、共通点を感じられますね。
⑥アブドゥル
アブドゥルという名前も人気があり、アラビア語圏やムスリムの多い地域では一般的な名前です。
アブドゥルの意味はアラビア語で「Abd al」。「神の下僕」という意味があり、敬虔なムスリムであることを表す名前となっています。
中東に多い女性の名前6選
中東に多い名前、女性編です。中東は敬虔なムスリムが多い地域ですが、女性の名前には宗教が反映されないケースの方が多く、良い意味合いを持たせた名前がつけられる傾向があります。
①ファティマ
ファティマは、イスラム教開祖であるムハンマドの四女の名前。娘の中でも、父親からひときわ深い愛情を受けたということで、ムスリムに人気がある名前です。エジプトのムスリムに多いという特徴もあります。
ファティマ自身、貧しい人々に心を砕く優しい女性だったと伝えられているので、優しい女性になって欲しいという願いが込められた名前です。
②サハル
サハルは、アラビア語で「夜明け」という意味があります。夜明けというと新しいことが始まるイメージであり、辛いことが終わるというイメージもありますね。
名前の由来として、とても素敵ですね!
③ナディア
アラビア語で「穏やかさ」「繊細さ」を表すナディアという名前も、人気があります。
また、ナディアには「湿った」という意味もあり、アラブの乾燥地帯に暮らす人々にとっては有難いもの・希少なものを連想させることも、人気の理由の1つでしょう。
元々、ナディアはロシアやブルガリアで「希望」という意味があって人気がある女性名でしたが、中東でも人気が出ています
④ガミラ
ガミラという名前は、言語によって呼び方に違いがあり、ジャミラ・ジャミーラ・ジェミーラなどの呼び方があります。
男性形のジャミールという名前もあり、男性名・女性名ともにイスラム圏で人気があります。ガミラ・ガミールと呼ぶのは、主にエジプトとなります。
ガミラはアラビア語で「美しい」を表す女性名です。日本語の名前で「美」を使うのと同じ感覚のようですね。
⑤マリカ
マリカはアラビア語で「女王」という意味を持つ名前。高貴で気高いイメージがあり、理想の女性像として娘に名付ける人が多いようです。
中東では、「高貴な」という意味を持つ「アスマ」や、「崇高」を意味する「サミア」という名前も人気があり、女性には気品が重要と考えられていることが分かります。
⑥ハーラ
ハーラはアラビア語で「熱帯」を意味する名前です。
イスラム教とは関係がなく、気候を表している名前です。