清澄庭園の見どころは?庭園を回りながらおすすめスポットを紹介

豊かな自然に恵まれた清澄庭園では、自然・建築・動物・歴史の魅力を味わえる観光スポットがたくさんあります。

今回は実際に庭園をぐるりと一周してみた私が、楽しみ方や歴史の豆知識、おすすめスポットを紹介していきます。

■庭園散策の順路はどちら回りで行くべき?

清澄庭園を楽しみ尽くす完全ガイド!美しい庭園を回りながら見どころを紹介
(画像=『あそびのノート』より引用)

清澄庭園は「回遊式林泉庭園」。すなわち、園内を回遊しながら鑑賞するのが正しい散策の仕方になります。

庭園の中心に大きな池「大泉水」がありますので、この周りをゆっくりと一周するように回りましょう。どちらの順路で回っても大丈夫ですが、2021年秋の時点では感染症対策から「正門を入口」「通用門を出口」に指定していたので、そのまま反時計回りに案内したいと思います。

■化け燈籠の島と長瀞峡

右手から池の見える方に進んでいくと、目に入るのは平たい大きな石をふたつ組み合わせた仙台石の石橋。幅もあり安定して渡れます。

清澄庭園を楽しみ尽くす完全ガイド!美しい庭園を回りながら見どころを紹介
(画像=『あそびのノート』より引用)

橋を渡って着いた小島は、何故か園内で唯一名前が無い島。中央にはいびつな形の「山燈籠(やまどうろう)」が1基あり、その独特な見た目から「化け燈籠(ばけどうろう)」とも呼ばれています。

自然石を組み合わせて作る燈籠は、通常のものと比べて躍動感や不思議なパワーを感じさせてくれます。色とりどりの草木と合わさった光景はとても美しいので、ぜひ足を運んでみてください。

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(画像=長瀞峡と仙台石の石橋、『あそびのノート』より引用)

庭園のメンテナンスを担当する人たちからは、親しみを込めて「お化け島」と名付けられているのだとか。

なお、島の名前はありませんが、島の手前エリアは「長瀞(ながとろ)峡」と名付けられています。

■大泉水の水は川の水だった?

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(画像=『あそびのノート』より引用)

清澄庭園の中央にある「大泉水」は、どこから鑑賞しても絵になる園内随一の名所スポット。

大泉水は雨水を利用していますが、岩崎家の時代は川の水を引き込んでいて、仙台堀を通じて隅田川と繋がっていたのです。

そのため、当時は潮の満ち引きによって水位が上下する、いわゆる「潮入りの池」だったそうです。

大泉水にはカメ類やスッポンが生息していますが、噛まれる危険があることと、水質保護の観点から、現在は入園客の餌やりが禁止されています。

■休憩やピクニックに最適な「自由広場」

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(画像=『あそびのノート』より引用)

大泉水の周囲を反時計回りに進んでいくと、池越しに凛とした佇まいの「涼亭」が見えてきます。右手には擬木(ぎぼく)の門が現れ、そこが自由広場の入口になっています。

自由広場は和を感じさせる清澄庭園の中でも、どこか洋の雰囲気を漂わせるエリア。四季折々の自然風景を見られるほか、松尾芭蕉の「古池の句碑」があるのもこの場所です。

全体的に平坦で歩きやすく、ベンチや東屋などの休憩スポットも充実。庭園歩きに疲れたときの休憩場所として大活躍します。

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(画像=芭蕉の句碑、『あそびのノート』より引用)

有名な古池の句が詠まれたのは、実は清澄庭園から北北西に400m離れた「深川芭蕉庵」なのですが、場所が狭かったため改修の際に句碑を移動させたという裏話があります。

残念ながら、この庭園の池に飛び込む蛙を見て、芭蕉が句を詠んだわけではありません。

■庭園最大の築山「富士山」と奇石「枯滝」

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(画像=『あそびのノート』より引用)

自由広場を出て次に目に入ってくるのは、庭園内で最大の築山「富士山」です。離れたところから見ると、サツキやツツジの植え込みで、たなびく雲を表していることがよくわかります。

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(画像=紀州青石の枯滝、『あそびのノート』より引用)

一番の見どころは、富士山のふもとにある「枯滝」。名石をふんだんに使った清澄庭園でもひときわ目を引く3mの石は、縦の縞模様がくっきりとした紀州青石で、流れる滝に見立てられています。

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(画像=枯滝の周りには、角の丸い石がいっぱい。、『あそびのノート』より引用)

川を表す無数の丸石は、上流にいくほど細長い石が、下流にいくほど丸い石が使われています。石の配置や大きさだけで川の流れを表現するという、なんとも芸術的な光景を楽しめます。

■ひっそりと佇むパワースポット「石仏群」

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(画像=『あそびのノート』より引用)

富士山の前を通り過ぎて先に進むと、少し赤みの入った伊豆式根島石と九重層塔が見えてきます。多くの人は池に沿って左に曲がってしまいますが、実は右にも道があります。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

右の道は行き止まりですが、突き当たりには「石仏群」の姿があります。草むらの影にひっそりと佇む石仏群は、庭園の隠れたパワースポットです。

■土の橋を渡って「中の島のアカマツ」を見に行こう

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(画像=『あそびのノート』より引用)

再び池に沿った道に戻って進むと、次に見えてくるのが「中の島」。木と土で作られた温かみのある橋が架けられています。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

この島には、樹皮の赤いアカマツの木が1本植えられています。松と石が印象的な清澄庭園ですが、その多くはクロマツ。珍しい赤い松の木を見たいなら、ぜひ中の島へ。

■巨大な名石を渡れる「磯渡り」

大正記念館が建つ庭園の北側には、多くの名石が集まっています。また、池沿いには水面を渡るために設置された飛び石の姿も確認できます。

この飛び石は通称「磯渡り」と呼ばれ、庭園内に全部で3ヵ所ほど存在しています。石のサイズによって「大磯渡り」「小磯渡り」と呼び名が変わることもあります。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

石の上を渡る磯渡りは、ちょっとした冒険気分を味わえる刺激に満ちたスポット。

橋とは違う魅力があり、リズム良く渡っているだけで楽しい気分になれます。カップルや家族連れを中心に人気のスポットですが、うっかり落ちないように気を付けて渡ってくださいね。

石を1つ渡るたびに、庭園の景色が変わっていく感覚も不思議なもの。それぞれの石に個性があり、形や色合いの違いを楽しめるようになっています。

■庭園内で印象的な名石を探す探検へ!

清澄庭園はとにかく石の多い庭です。庭園を構成する重要な景石(けいせき)だけで、約50石以上もあるというのだから驚き。その中でも特に印象的な石をいくつか紹介しましょう。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

石の水鉢の隣にある「伊豆磯石」は、まるで彫刻のような見た目をした背の高い名石。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

「真鶴石」は、横から見ると獅子のように見えると話題。思わず撫でたくなる美しいカーブも特徴的。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

波や動物の顔のように見える「伊豆川奈石」。一面の緑にぽつんと佇む姿がかわいい。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

「秩父青石」は、平たい形状と青みがかった色の美しさが魅力。

清澄庭園を楽しみ尽くす完全ガイド!美しい庭園を回りながら見どころを紹介
(画像=『あそびのノート』より引用)

真っ赤に染まる「佐渡赤玉石」は、誰もが驚くインパクトの強い名石のひとつ。ゴツゴツとした形状と真紅の赤色は迫力満点で、さながら巨大隕石のよう。

今回紹介したもの以外にも、園内には数多くのユニークな名石が点在しています。時間に余裕がある人は、お気に入りの名石を探す旅に出かけてみてはいかがでしょうか?

■清澄庭園ではバードウォッチングも楽しめる

清澄庭園を楽しみ尽くす完全ガイド!美しい庭園を回りながら見どころを紹介
(画像=アオサギ 画像提供:清澄庭園、『あそびのノート』より引用)

都心部にありながら緑豊かな水辺のある庭園には、野鳥が多く訪れます。年間を通じて姿が見られるのは、ヒヨドリ・アオサギ・シジュウカラなど。夏にはツバメ、冬はカモの仲間が越冬に飛来します。

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(画像=ヒヨドリ 画像提供:清澄庭園、『あそびのノート』より引用)
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(画像=カワセミ 画像提供:清澄庭園、『あそびのノート』より引用)

カワセミが姿を現すこともあります。

■雨の日は石の美しさが際立つ

清澄庭園を楽しみ尽くす完全ガイド!美しい庭園を回りながら見どころを紹介
(画像=『あそびのノート』より引用)

散歩に出かけようと思った日が雨だと、ちょっと残念な気分になってしまいます。しかし清澄庭園なら、雨の日は雨の日なりの楽しみ方ができちゃうのです。

石の本当の美しさは、雨の日にこそ真髄を発揮するもの。しっとりと濡れた石の色合いは、晴れた日には気づけない貴重な光景です。

名石がふんだんに使われたこの庭園ならではお楽しみを、存分に満喫しましょう。