1月から冬ドラマが放送開始されましたが、どの作品も最終回に向かって佳境を迎えています。今回は恋愛ライターの私が選んだ「最終回まで見届けよう!」と思った3つのドラマを紹介。「今からでも動画メディアを駆使して追いついてほしい」と心から言いたい、各作品の魅力をまとめます。
※この記事はドラマ内容についてのネタバレを含みます。
『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』
『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』(フジテレビ系、木曜夜10時~)は、大手出版社「クスノキ出版」が運営するネットニュースサイト「カンフルNEWS」の編集部員として働く瀬古凛々子(黒木華)が、社会に蔓延(はびこ)る多種多様な問題に切り込む社会派ドラマ。基本的には、1話ごとに1つの問題を取り上げて真相に迫るスタイルなので、サクッと見ることができます。
画像:フジテレビ『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』公式サイトより
この作品の面白い点は、各話で取り上げる問題の多様さ。“マッチングアプリを活用した不倫”や“親ガチャ”など、真新しいトピックを取り扱っているため身近で引き込まれます。他にも社会問題を取り上げるドラマは多いですが、少し前に注目されたトピックを“今さら”取り上げるケースもしばしば。現実世界とのズレに冷めることも少なくないですが、本作は内容が入ってきやすいです。
また、凛々子役の黒木華の演技も魅力的。『凪のお暇』や『重版出来!』(ともにTBS系)とは全く違う寡黙な役どころであり、これまでの彼女のイメージをガラッと変える作品といえるのではないでしょうか。
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『恋せぬふたり』
『恋せぬふたり』(NHK総合、月曜夜10時45分~)は、恋愛感情も性的欲求も持たないセクシャリティ“アロマンティック・アセクシュアル”の兒玉咲子(岸井ゆきの)と高橋羽(高橋一生)が、「恋愛は素晴らしい」「いい年して結婚しないのはおかしい」といった常識に揉まれながらも、同居生活を通して自分たちの生き方を模索していくドラマです。
画像:ドラマ『恋せぬふたり』公式サイトより
筆者が印象的だったシーンは、5話での咲子と親友・千鶴 (小島藤子)とのやりとり。千鶴は当初、咲子とルームシェアを約束していたにもかかわらず、土壇場で「彼氏ができた」という一方的な理由からルームシェアの話を無しにしました。あまりに身勝手な言動に腹が立ちましたが、5話では音信不通になった千鶴に咲子が会った時、自身の気持ちを打ち明けます。
自分が咲子へ恋愛感情を抱いていることに気付き、まともにルームシェア生活を送ることができないため、「彼氏ができた」と嘘をついたというのです。咲子も千鶴も共通して「“セクシャルマイノリティ”として悩んで」いながらも、だからこそお互いの気持ちを理解することができず、ただただお互いの胸の中が罪悪感に支配されるシーンは見ていてしんどかったです。
このドラマを観ていると、咲子らの周囲の人たちに腹を立てつつも「自分も知らず知らずのうちに誰かを傷つけていないか?」と不安になり、過去の言動などを振り返ること多々。他人のセクシャリティについて安易に話題に出すことの軽薄さにも気付かせてくれました。多様化が重視される昨今、見ておいて損はないドラマです。
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