人生のどん底だと落ち込んでいる時期に、ふと、そんな気持ちを癒やしてくれる存在に出逢えるとホッとしますよね。
今回は、そんな経験をした女性にお話を聞いてみました。
写真はイメージです(以下同じ)
## 夫の不倫で離婚
渡辺千夏さん(仮名・デザイン事務所勤務・42歳)は、昨年離婚をしました。
「元夫のS(45歳・会社員)とは16年間結婚生活を送ってきましたが、一昨年に30代前半の部下との不倫が発覚したんです。スマホをとりあげて写真フォルダを見てみたら、おぞましい数の2人のいちゃいちゃショットがでてきて吐きそうになりましたね」
さかのぼって見ていくと、少なくとも4年間は不倫関係を続けていたようで…。
「私、全く気づかなかくて。旅行に行っている写真もありましたし、昔よく私とデートした和食屋さんにも、その女を連れて行っていました」
夫に「スマホを返せ」と詰め寄られた千夏さんは、反射的に彼を突き飛ばしてしまったそう。
「そしたらSに突き飛ばし返されて、足がよろけてテーブルの角に頭をぶつけてしまったんです。痛さのあまりうずくまっていると、私に一言もかけずSはスマホを持って家を出て行きました」
## 身も心も疲れ切った
不倫されていたことは、もちろん相当ショックでしたが…今まで一度も手をあげたことのない夫に、思い切り突き飛ばされたことが怖くてしかたがありませんでした。
「もし打ちどころが悪かったら大変なことになっていたかもしれないのに。もう本当にSにとって私はどうでもいい存在なんだなと思いましたね」
千夏さんと夫の間に子供がいなかったこともあり、すんなり離婚することに合意しましたが、離婚の手続きや、一人暮らしを始めるための準備で、千夏さんは身も心もクタクタに疲れてしまいました。
「かろうじて仕事中は平静を保っていましたが、家に帰ると抜け殻みたいになっていました。引っ越しはなんとか勢いでできましたが、荷解きする元気がなかなか出なくて、しばらく段ボールだらけの中で暮らしていましたね」
テレビもつけず、スマホも見ずに毛布にくるまって「まさか42歳でまた一人暮らしする事になるとはな」と天井を見つめてため息をついていたそう。
そんな時に、職場に新しくYくん(28歳)が入ってきて千夏さんが教育係をすることになりました。
「社長が直々に引っ張ってきた子で、要領がよくスルスル仕事を覚えてくれるので教えていて楽しかったんですよね」
つい千夏さんが『一を聞いて十を知るだね』と言ったら『それ、なんですか?』と笑われてしまったそう。