若さとポテンシャルが武器になる20代とは違い、経験値やスキル面が重視される30代の転職事情。30代、年収600万円以上のミドルキャリア人材が転職活動でおさえるべきポイントは?また、転職しないほうがいいのはどんな人?ミドルキャリア専門転職エージェント・コーポレートスタッフのベテランアドバイザーに、30代からの転職事情を聞きました。

30代、年収600万円以上。ミドルキャリアの転職事情とは。

Profile
転職エージェント・コーポレートスタッフ 高木 健矢さん

広告業界でキャリアを積んだのち、2011年より現職。IT、WEB、広告業界でのミドルキャリア転職支援実績多数。

30代、年収600万円以上。ミドルキャリアの転職事情とは。

Profile
転職エージェント・コーポレートスタッフ 若林 治郎さん

新卒で入社した大手人材総合サービス会社からキャリアをスタートし、約17年間一貫して人材業界に携わる。得意領域は医療とIT業界。

30代、年収600万以上 ミドルキャリアの転職理由は

高木:30代の平均年収は450万円程度というデータがあります。

参考:年代別・年齢別 平均年収情報(doda)

高木:平均からみれば30代で600万円以上ある方は「高年収」に入りますが、ミドルキャリア層の転職相談理由に上がるもののひとつに「さらに年収を上げたい」というものがあります。

若林:今よりも上のポジションで働きたい、スキルを伸ばせる環境に行きたい、といった、ポジティブかつ野心的な理由での転職が多いのが、30代でリーダー職以上のポジションにいる方の傾向ですね。

高木:30代になると既婚率も高くなります。独身時代には時間をいとわず仕事にまい進してきたけれど、これからは家族との時間を確保したい。そのために、例えば比較的ハードな働き方が多くなる、広告代理店やコンサルティングファーム出身の方が事業会社への転職を検討されるケースもあります。

若林:家庭ができたことで働く環境を改善したいと希望される方は、男女問わず多いですね。

高木:単純に残業が嫌だ、休みたい!ではなくて、家族のために時間の使い方を変えたい、年収も上げたい、というご希望は増えている印象です。

30代は勢いだけで転職してはいけない

30代、年収600万円以上。ミドルキャリアの転職事情とは。
(画像=『転職の地図』より引用)

若林:業務内容の変化のなさに不安を覚える方もいらっしゃいます。新卒で大手メーカーや商社に入社し、年収は650万円くらいまで上がったものの、その先が見えない。業務内容に変化がない、成長を感じられない、とか。

高木:捉え方によっては、ぜいたくな悩みでもありますよね。

若林:同じ悩みを共有していた社内の同僚や先輩が、変化を求めて転職していく。その様子をみて危機感をおぼえて転職を意識したという声もあります。

高木:確かに、30代に入るとある程度仕事がこなせるようになってくるので、外の世界も見たくなってきますよね。隣の芝生は青く見える、とも言えますが。

若林:ただよくよくお話を聞くと、恵まれた環境にいる方がほとんどなんです。大手企業の安定を捨ててまでチャレンジしたい「何か」がない限り、現職残留をお勧めすることもありますよ。確固たる意思がなく、ただ環境を変えたい思いだけで転職してしまったら、後々後悔しますから。

高木:我々アドバイザーと話しているうちに、現状が恵まれていることに気付かれることはよくありますね。

転職をお手伝いするのが私たちの仕事ではありますが、30代の転職は相当な負荷がかかるものだという現実はお伝えしています。特に初めて転職する方は、入社以降時間をかけて培ってきた経験や人間関係、社内でのポジションをすべて白紙に戻して、新しい環境でまた一から作り直すことになります。これは簡単ではありませんから。

業界の先行き不安、変化のなさから転職を意識

若林:私は医療関連企業を多く担当しているのですが、業界の将来不安から転職を検討されるMR職の方もいらっしゃいますね。競合企業の乱立やIT技術の台頭によって、業界構造が変わってきている。人員削減のため早期退職を迫られた先輩の姿をきっかけに「30代の、今のうちに動いたほうがいいのでは?」と相談にいらっしゃるケースもあります。

高木:どのようなアドバイスをするのですか?

若林:率直に「好条件のまま同業界で転職するのは難しい」という旨を話します。または、医療×ITの領域で検討したほうがいい、などの提案をすることもあります。同じ医療でもIT要素があれば、経験を活かしながら、年収を大きく落とさず転職できる可能性はありますから。

高木:最近は金融業界でも将来性に不安を持つ方が増えました。メガバンクなど比較的安定しているイメージの環境であっても、今後の事業や社内でのキャリアに不安がある方も。

若林:安定はあるけれど、将来が決まり切っている虚しさを訴える方が多い。30代で年収600万以上、福利厚生も手厚いからそれで満足!というわけでもないですね。