2017年にオープンした【ねざめ亭】は、長野県木曽路の景勝地「寝覚めの床」が眼下に広がる道の駅のようなスポット。絶景が見られるテラスや、美味しいレストラン、木曽名物がいっぱい揃っているお土産屋さんなどがあります。ねざめ亭自慢の「3つのびっくりポイント」も探してみましょう!
【ねざめ亭】から眺められる絶景「寝覚めの床」とは?
中部地方の豊かな水源、木曽川 が流れる長野県木曽郡上松町に【寝覚めの床(ねざめのとこ)】と呼ばれる景勝地があります。そこにあるのは、「花崗岩(かこうがん)」という大きな岩。
花崗岩 は、写真のとおり「方状節理」という規則性のある割れ目が特徴。まるで人工的に削ったかのような 四角い 岩盤が連なっています。この景観は、木曽川が気の遠くなるような長い年月をかけて削ってきたことで出来上がったものなのです。
この岩とそれを囲む森林、そしてエメラルドグリーンの川の色も相まって、ここは「史跡名勝天然記念物」および「木曽地域の構成文化財」にも登録されています。
浦島太郎が玉手箱を開けた場所?!
【ねざめ亭】の正面には、浦島太郎 の看板があります。でも、ここは 木曽川、浦島太郎といえば 海です。なぜここに浦島太郎が?
実は、「寝覚めの床」という名前の由来になったのは、浦島太郎がここで玉手箱を開けた という伝説が遺されているからなんです。
竜宮城に行ってから700年も経っているとは知らず、陸へと帰った浦島太郎。当然、その場所には自分を知る人は誰もいない、自分の家もない。そこで、浦島太郎は日本の各地へ漫遊の旅に出ます。
長い旅路で木曽の奥地であったここ「寝覚めの床」に辿り着くと、美しい景観に心打たれ、この地に住みつくことに。毎日、木曽川で釣りを楽しむ日々ですが、地に足をつけたからでしょうか、竜宮城が懐かしくなって玉手箱を開けてしまう…そして老人となってしまいます。
「竜宮城に行ってから、玉手箱を開けて現実に戻るまでの時間は、まるで夢のようだった。そして、ここで夢から覚めてしまったのだ。」という伝説により 【寝覚めの床】という名がついたんだそう。
抜群の絶景が気軽に見られる【ねざめ亭】
そんな伝説が遺る絶景を、上から見下ろせるビューポイントとして今回オススメするのが【ねざめ亭】です。「道の駅○○」という名称ではないのですが、景色が素晴らしく、レストラン、特産品を売るお土産屋さんがあり、周辺の観光地情報も発信しているので、役割としては「道の駅」と同じ様な感じです。
【ねざめ亭】の入口の反対側は岸壁となっており、テラスがあります。ここでレストランのご飯を食べるのも良いですが、レストランを利用しないでも自由に行くことができます。そしてこのテラスからの景色が素晴らしい!
とても澄んだ空気感、マイナスイオンがひしひしと伝わってきます。箱を積み重ねたような花崗岩、エメラルドグリーンの木曽川、周囲にある木々が見せる景色は、新緑や紅葉の季節には特に素晴らしいです。
併せて見える線路は JR中央西線。走っている本数は少ないので、電車が通ったらラッキー!テラスには 通過時刻表 も貼ってありますよ♪
ちなみに、【ねざめ亭】から「寝覚めの床」まで散策することもできます。【ねざめ亭】から景勝地の全体を眺めるのも良いですが、花崗岩が迫ってくるような景色を見られることもまた特別なので、時間のある方はぜひ下まで降りて行ってみてください。無料です!
散策路の入口は、【ねざめ亭】のすぐ隣にある「木曽路美術館」。2020年10月現在は閉館しているのですが、イベントがあればオープンする美術館です。「寝覚めの床」への行き方や注意点などは、下記の関連記事を参考にしていただければと思います。
【ねざめ亭】で探そう!3つのびっくりポイント
【ねざめ亭】で楽しめるのは、素晴らしい光景だけではありません。思わず笑ったり驚いたりびっくりすることがいっぱい!そのBEST3をご紹介します。
びっくりポイント その1:レジカウンターにいるあの人は…!!
【ねざめ亭】への入口は一つ。入るとすぐにお土産屋さんになっており、真正面の奥にレジカウンターがあるのですが、妙な雰囲気を出している店員さんが居ます。
他の店員さんは女性で作務衣を着ているのですが、この人だけ男性でTシャツ。そして入口をじーっと見ている…怪しいお客さんが入ってこないかどうか、見張っているのでしょうか。なんだか近寄るのがおっかない雰囲気です。
コロナ対策のために張られた透明シートで顔がよくわからないので、横に回ってみると・・・
「こ!この人はー!!!」
と、この先は行ってからのお楽しみ♪ ちなみに、この方はまさにここ、木曽の出身の有名人です。
びっくりポイント その2:お値段にもびっくり!ひのき風呂
さて、そんな店員さんが居るお土産売り場には、木曽路での遊び場所についてもいろいろ情報収集できます。御岳ロープウェイの「本日の運行時間」も、毎日貼り替えています。
また、木曽の名品もいっぱい!中でもヒノキ を使った商品が多々あります。というのも、木曽には「ヒノキの美林」と呼ばれる国有林があるのです。
ここら辺りは、大昔からヒノキの生息地。でも、戦国時代に、焼き討ちにあった城や神社、お寺の再建のために大量に伐採され、一時は 尽山(つきやま = 木がほとんどない山)となってしまいました。
その「ヒノキの美林」の復興を始めたのが、江戸時代の尾張藩。ヒノキ含めて山林を保護する政策モットーは「木一本首ひとつ」。木(ヒノキ)を切ったら、首を切る( 死刑)ぞ!と厳しい管理をしてきました。
さすがに今のご時世で「木一本首ひとつ」はありませんが、今でもしっかり管理されており「木曽檜」として立派かつ貴重な木材となっています。
そのようなヒノキを贅沢に使った、びっくりな商品がこちら!
ヒノキの丸い風呂 です!直角の檜風呂なら見たことのある方も多いと思いますが、丸いのはまずない!大人が5人くらいは入れる大きさでしょうか。上松町の “桶の匠” が特別な技法を開発して作った逸品とのこと。なんと、イタリアの工業展 にも出品されたそうです。
びっくりするのはそれだけではありません。この檜風呂、購入することもできるのですが、お値段を見ると目ん玉が飛び出ます。2020年9月時点で 18,000,000円!!触るだけはタダなので、ぜひ見つけてみてください。とってもなめらかな檜風呂です。