日本の男女格差〜働く女性のポジションとジェンダー・ギャップ〜
グラフから見えてきたもの。
それは、女性は男性と同じフィールドに立ちにくい、という現状です。
同じ立場で待遇に差があるというより、もっと根本的な話です。
女性が管理職や専門職に就きにくい。政界の、特に首相というポジションへの前例がほぼない。
例えば、「同期の社員にもかかわらず男女で給与が違う」ということはあまりないかと思います。
受けられる教育も、スコアを見ても分かるように現代の日本では男女間の差はほぼありません。
しかしその一方で、女性には「なれないもの、就けない仕事、立てないフィールドがある」のです。
未だに日本では「男性は外へ、女性は内へ」という根強い価値観が残る、そんな結果が数字として表れたのだと思います。
参考:データのじかん
他国の男女格差〜1位の国の現状は?〜
ジェンダー・ギャップ指数によって、まだまだ日本には課題が残ると再認識させられます。
では、世界1位の国は、どのような国なのでしょうか?
世界1位は、アイスランド。日本からおよそ北西に8000キロに位置する北欧の島国です。
アイスランドは2021年のみならずこの10数年間連続1位を獲得しており、世界一男女平等な国と言われています。
1位に選ばれる主な理由は、政治や経済の分野での女性の割合が高いことです。
現在、アイスランドの首相は、カトリーン・ヤコブスドッティルという40代の女性。彼女自身も子どもを育てる母親です。
アイスランドでは、男性・女性の割合を一定以上に定める「クォータ制度」により、女性が企業の役員や国会議員の4割以上を占めています。
役員・国会議員・専門職の女性の比率の違いは、日本と比較しても一目瞭然です。(グラフは%)
また、アイスランドでは、女性も男性同様にキャリアアップしていくのが一般的です。
その理由は育休にあると言っても過言ではありません。
母親だけが育児休暇を取る場合、6ヶ月が上限です。
しかし、その6ヶ月を夫婦で3ヶ月ずつシェアした場合、さらに3ヶ月の休暇がプラスされます。
このプラスされた3ヶ月は、夫婦どちらが取得しても良いことになっています。
こうして男性も積極的に育児に参画できる環境が整っているため、女性の社会参画がより容易になっているのです。
・「クォータ制度」で女性の管理職や政界進出が保証されている
・独自の育休制度で男性も育児参画、女性の社会進出をサポートできる
このような取り組みで、アイスランドの女性の多くはキャリアを積むことができています。
また、アイスランドは女性に限らず、広い意味でのダイバーシティを実現している国です。
アイスランドの法律では2010年から同性婚が認められ、同性のカップルが養子縁組や体外受精で子どもを持つことができ、LGBTの人たちにも多く夫婦と同等の権利が認められています。
また、障害を持つ人への政策も進められており、小さな国で人口も少ないながら、車椅子で利用できるトイレや介助サービスも充実。
観光地という側面もあり、中心部はバリアフリー化にも積極的で、身体的なハンデをもった人も快適に過ごせる工夫がなされています。
全ての人に寛容な風潮があるアイスランド。
しかし、「理想的だが実際に国としてうまく回っているのか?」という疑問も出てくるでしょう。
事実、一時期経済危機はあったものの、2016年には経済成長率は7.2%と大きく伸び、EU諸国が苦しむ中、EU平均を上回る経済成長を見せています。
ちなみに、国の銀行(アイスランドの銀行は全て国有化されている)ランズバンキ・グリニトル、両行のCEOはどちらも女性。
経済危機に面した際、従来の「男性型経営」が問題視されたため、女性をCEOにして改革をはかったのです。
ダイバーシティを実現しながら、国としても成長をしているアイスランド。
日本にも取り入れたい制度や思想が、たくさんある国と言えます。
参考:NHKハートネット
まとめ〜風潮に飲まれない価値観を持とう〜
日本はまだまだジャンダー・ギャップにおいては遅れをとっています。
私たち一人ひとりにできることは、それぞれが真剣に考え、自分の意見を持つこと。
「こういう風潮があるから」と諦めないことが大切。
時代を作っていくのは私たち自身です。
社会活動に参加したり、社内で意見を出してみるなど、小さなことでも良いです。
自らの意見を発信する機会を大切にし、一人一人が輝ける社会づくりをしていきましょう。
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