恋バナ収集ユニット「桃山商事」の代表で、これまで1200人以上の恋愛相談に耳を傾け、そこから見える恋愛とジェンダーの問題についてコラムやラジオで発信してきた清田隆之さん。清田さんの最新作『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』から東京大学の学生・有村隼人さん(仮名)のインタビューの4回目をお届けします。
【1回目を読む】⇒東大生男子が語ったガリ勉人生 「東大以外なら負け」だった 【2回目を読む】⇒東大男子が語る、終わらない競争「スペックのかけ算では僕は負けてない」 【3回目を読む】⇒童貞のまま東大に入った男子の後悔。「お前ら恋愛しとけ!と後輩に熱弁した」
東大に合格し、初めて女性との交際も始めた有村さん。しかし、女性の「経験人数」に違和感を覚えたといいます(以下、同書よりインタビューを抜粋。4回シリーズの#4)。
童貞を捨てられたけれど、それだけ
大学生になって最初のほうの恋愛は褒められたものではありませんでした。サークルで知り合った女子と適当に付き合い、やることだけやってすぐに別れるというパターンを2回ほどくり返してしまいまして。童貞を捨てることはできたけど、正直それだけというか、単にセックスの経験値を得ただけの恋愛だった。
画像はイメージです(以下同)
その次に付き合ったのは年上のD子さんで、予備校時代のチューターだった人なんです。世代や職種を超えて東大生ネットワークを広げようという意識高い交流会がきっかけで偶然につながって、彼女はもう社会人でしたけど二人で昼メシに行ったりという中で段々と距離が近づきました。
実は、彼女はその時点で別の男性ともお付き合いしていたんです。その男性は結婚している人で、つまり不倫なんですけど、男性が海外に転勤になってしまったこともあって、もうその関係は清算したいと望んでいました。彼女の部屋にも男性の気配は残ってなかったです、本当に。
なんだか年上と付き合うのがうれしくて、当時わりと親しかった友人を連れて彼女の部屋に行き、D子さんがそいつにコーヒーを淹れてくれるのを悦に入って眺めたりしてました(笑)。
彼女の「男性経験10人」に、違和感があった
それと彼女はいろいろ生きづらさを抱えた人で、精神的に不安定なところがありました。それで僕のほうが気を配るべきだと考え、メンタルケアについて本を読んで勉強なんかもしていました。
正確に言えば僕は“二股の片方”だったわけですが、交際はしばらく順調に続いていました。それでもやっぱり違和感を抱く部分はあって、それは彼女の恋愛経験でした。過去の話をいろいろ聞く中で10人程度と交際または肉体関係を持ってきたことがわかったんですね。
それは話の時系列や人物描写の特徴などから割り出した数値なんですが、「この人とこの人は違う男性だな」「この人の次にこの人と付き合ったんだな」という感じで情報の断片をつなぎ合わせた結果なので、おそらくほとんどズレはないはず。