5.猫のフケの発生を防ぐには?

愛猫のフケの原因と予防方法・対策について獣医師が解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

感染症やアレルギーが疑われる場合は、早めに動物病院までご相談ください。病気以外では、ストレス、食事、加齢、ケア不足、ケアし過ぎという原因が考えられます。改善方法としては、皮膚を清潔に保つこと、適度な油分と水分の保持が有効です。それでは、お家でできる予防方法をチェックしてみましょう。

自宅でのフケ予防方法

皮膚のターンオーバーが乱れている場合は、ブラッシングやシャンプー、保湿によって改善が期待できるでしょう。生活における不安や恐怖を取り除きストレスを軽減することも重要です。

❶シャンプー

シャンプーに慣れている猫であれば、月1回程の頻度でシャンプーしてあげましょう。長毛の猫では、コンディショナーを併用すると毛がほつれにくくなり毛玉の予防にも有効です。
ポイントはしっかり洗い流すこと。シャンプー剤が残っていると、皮膚や肝臓のトラブルの原因になってしまいます。濡れたまま放置すると雑菌の繁殖や体温の低下につながりますので、すばやく乾かしてあげてください。また、シャンプー剤は動物病院に相談してみましょう。

❷ブラッシング

猫ちゃんの毛質と毛の長さにあったブラシを選び、優しくブラッシングしてあげてください。死毛を除去するブラシと毛並みを整えるブラシの2種類を準備しておくと、ブラッシング時に無理な力が加わりにくく、猫の皮膚にかかる負担を軽減することができます。
毎日継続することが大事ですが、力が入りすぎたり長い時間かかってしまうと皮膚炎やフケの増加につながります。皮膚炎を患っている場合は、症状を悪化させてしまう可能性がありますので避けてください。ブラッシングが嫌いな猫も少なくありません。手短に何回もブラッシングを繰り返し、ブラッシングの後には必ずごほうびを与え、少しずつ慣れさせていきましょう。

❸保湿

皮膚が乾燥していると、角質がはがれやすくなりフケが増えます。加湿器などで適度に湿度を保ったり、保湿用のスプレーや蒸しタオルを使って皮膚の潤いを保つように工夫しましょう。
また、猫用の洗い流さないトリートメント剤や保湿剤も有効です。使用前には必ず獣医師にご相談ください。

❹食事

食事に含まれる栄養素の約30%が皮膚の栄養となります。おやつばかりを与えて栄養の偏りがあったり、体質に合わないフードを与えていると、皮膚に十分な栄養がいかずフケが多くなります。獣医師に相談して適切な栄養指導を受け、体質に合ったフードを選んであげましょう。

❺ストレス軽減

来客や模様替え、多頭飼い、運動不足、引っ越し、ホテルなどはストレスの引き金になると言われています。生活環境に大きな変化が訪れる場合は、安全な隠れ場所を準備してあげたり、変化を緩和しながら少しずつ慣れさせてあげるなどの優しさが大切です。
1日数回、おもちゃを使って遊ぶ数分間は、運動不足の解消になるのはもちろんのこと、猫にとって家族とふれあう大切な時間です。猫は人に懐かないなどという人がいますが、決してそんなことはありません。ご家族とのふれあいはお互いの癒しとなるでしょう。

6.猫のフケを発見してから、動物病院に連れて行くべきタイミングについて

愛猫のフケの原因と予防方法・対策について獣医師が解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

フケを発見しても、自宅で様子を見ていていいものか、動物病院での治療を要するものか、その判断はとても難しいもの。猫は症状を隠す傾向が強く、意識して観察する必要があります。
動物病院に行くべきかどうか悩んだ時は、下記を参考にチェックしてください。
また、シャンプーやフード選びについても、できれば事前に動物病院でご相談いただくと良いでしょう。

こんな時はすぐに動物病院へ

●全身にフケが出ている
●よく掻いている
●毛艶が悪い
●体調が悪い
●ブラッシングやシャンプーをしてもフケが出る
●キャットフードを変えてもフケが出る

7.まとめ

フケが増えたなぁと感じたら、まずは猫の様子を観察しましょう。いつもと違う場所に隠れていませんか?しょっちゅう掻いていませんか?食欲がなくなったり、いつも遊ぶおもちゃで遊ばなくなったりしていないでしょうか?

皮膚の状態を毎日観察していたら、わずかな変化でも気づくことができますが、なかなか毎日猫の皮膚を観察している人はいませんよね。皮膚のトラブルが出始めると、猫の行動は変わります。お家での行動の変化は獣医師にはわかりません。なんか様子が変だな…というみなさんの感覚は間違いありません。体調の変化をきたしている兆候です。遠慮なく獣医師に相談してください。「先生、何か変なんです」と。


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

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