フジテレビが募集した早期退職者の中に、人気バラエティ番組の生みの親も含まれていることがニュースになりました。その背景には何があるのでしょうか。
「めちゃイケ」生みの親やプロデューサーも早期退職
2022年1月、フジテレビは50代・勤続10年以上の社員に対し、早期退職者を募集しました。早期退職募集に応じた社員には、退職金に特別優遇加算金を上乗せするため、2022年3月期の決算で特別損失約90億円を計上すると発表しています。
今回の早期退職募集には、かつて同局の人気バラエティ番組だった『めちゃイケ』を生んだ“総監督”の片岡飛鳥さんや、同じく同番組の人気プロデューサーだった明松功さんなどが応じました。
早期退職募集の背景①売上の減少
フジテレビが早期退職を募った背景のひとつに、売上の減少が挙げられます。
フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスの決算資料を見ると、フジテレビをはじめとする「メディア・コンテンツ事業」の売上高とセグメント利益(営業利益)は以下のように推移しています。
売上高 (百万円) |
増減(%) | セグメント利益 (百万円) |
増減(%) | |
---|---|---|---|---|
2019年3月期 第3四半期 連結累計期間 |
392,370 | ――― | 17,209 | ――― |
2020年3月期 第3四半期 連結累計期間 |
392,096 | △0.1 | 12,490 | △27.4 |
2021年3月期 第3四半期 連結累計期間 |
327,256 | △16.5 | 10,526 | △15.7 |
2022年3月期 第3四半期 連結累計期間 |
309,718 | △5.4 | 17,028 | 61.8 |
最近4年の第3四半期連結累計期間における売上高・セグメント利益の推移を見ると、売上高・セグメント利益ともに2019年から2021年にかけて減少の一途をたどっていました。
2022年3月期の第3四半期では、セグメント利益は前期よりも増えたものの、売上高の減少は止まっておらず、依然として厳しい状況です。会社は今後も厳しい状況が続くことが予想されるため、年収の高い社員を減らそうと考えているのでしょう。
早期退職募集の背景②社員構成上の問題
早期退職募集の背景として、もう一つ考えられるのは社員の年齢構成のバランスです。 退職希望者を募っている年齢層はバブル期入社組の社員ですが、フジテレビの社長によると「逆ピラミッド型の年齢構成」になっているといいます。50代以上の社員を減らす一方、中途採用を実施して若い人材を獲得し、年齢構成の改善を図っています。
もちろん、年収の高い社員を減らして年収の低い若年層を雇用することで、人件費の抑制にもつながります。
苦境が続くテレビ業界 生き残り策としてはやむを得ない?
視聴率低下やスポンサー離れなど、テレビ業界を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。売上高が減り続けるなか、年収の高い世代を減らすのはやむを得ない方法なのかもしれません。
しかし、今回会社を去る人々の中には、業界の一線で働いてきた人も含まれています。彼らのノウハウが社内に蓄積されて次世代に引き継がれるのか、気になるところです。
文・はせがわあきこ
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