「WORXファーストキャリア構築への道」は、働きながら仕事に必要なスキルを身に付けられる「WORX(ワークス)」に参加し、ゼロからキャリアを形成すべく奮闘する人たちの、変化と成長を追いかけるシリーズです。vol.2はWORXへの参加を決意してから約1年が経過した藤川さんに、研修後の動きや現在の業務についてお聞きしました。

エンジニアキャリアの作り方は、ひとつじゃない。WORXファーストキャリア構築への道 vol.2

Profile
藤川佐知さん 26歳

通信制高校を卒業後、保育士を目指して専門学校へ進学するも、1年で中退。その後コンビニやスーパーでのアルバイト勤務を経て、2020年6月からWORXに参加。エンジニアを目指して奮闘中。

コロナで2ヵ月間の自宅待機

コロナの影響で入社日が延期になり、2020年の6月からWORXメンバーとしての活動が始まりました。

入社後研修を受けたのち、7月からはいよいよ就業先でエンジニアとしてのキャリアがスタート!…のはずだったのですが、新型コロナウイルスの影響で、状況は大きく変わってしまいました。

飲食や宿泊などのサービス業と比べると、IT業界はコロナの影響が少ないと言われています。それでも2020年春はWORXメンバーが就業するいくつかのプロジェクトが一時中断したり、密を避けるために稼働人員が減ったりする状況になってしまったんです。

私自身も研修終了後すぐに自宅待機になりました。せっかくエンジニアとして新しいスタートを切ったばかりだったのに、こんなことになってしまって、この先どうなるんだろう。本当にエンジニアになれるのか。大きな不安に襲われました。

ただ、研修中から次の資格取得に向けた準備はしていたので、自宅待機で生まれた時間はすべて資格勉強に費やしました。同じ資格の取得を目指すメンバーたちと、チャットで進捗を共有しながら学習を進め、7月にはLinuC(Linux技術者認定資格)の取得に成功しました。

その後続けてCCNA(Cisco Certified Network Associate)取得に向けて勉強を始めたのですが、これが難しくて。テキストを見ても意味が理解できない項目が増えていき、理解できない自分を責めてしまい、勉強が進まなくなるという悪循環に陥りました。

でも、自宅待機期間中も給与の保障があり、入社後研修しか受けていない私の雇用を維持してもらっていることに対して、感謝の気持ちがありました。そして研修と資格勉強によって、ようやく身に着き始めたIT関連の知識を、実際に仕事で活かしてみたい。そんな思いもあり、どうにか勉強の苦しさを乗り越えられました。

自宅待機期間中に集中して勉強に取り組んだ成果もあって、当面の目標としていたLinuCレベル1と、CCNAの取得に成功しました。今後はWEBの知識も身につけたいので、PHPやWordPressも勉強したいと考えています。

ファーストキャリアはまさかの「新規事業立ち上げ」!

エンジニアキャリアの作り方は、ひとつじゃない。WORXファーストキャリア構築への道 vol.2
(画像=『転職の地図』より引用)

学習に集中していた自宅待機期間がそろそろ終了となるタイミングで、WORX管理部から

「MAP本社で新規事業の立ち上げの手伝いをしてみませんか?」

という打診を受けました。

もともとは現場でエンジニアとしての経験を積むためにWORXに参加したので、WORX運営母体であるMAPの本社勤務になることはまったく予想していませんでした。

どんな仕事を担当するのか、果たして自分にできるのか。見当もつかず、迷いに迷った末、本社勤務を決めました。

目標としていた資格試験に無事合格して、心と時間に少し余裕が生まれたこと。そして、新規事業が私と同じ未経験から異業種へ挑戦する人たちを支援する内容であったことも、大きな決め手となりました。

新規事業は「デジタル能力開発センター」というビジネススクールプロジェクト。コロナ禍で職を失って、未経験職種への転職活動に苦戦している方に対して、ITスキル向上の機会を無償提供する取り組みです。

私はこのプロジェクトの立ち上げメンバーとして、サイト制作や広報業務を担当しました。

私にとって、これが初めての会社勤務。研修で毎日通っていたので、本社の環境には慣れているはずなのに、勤務するとなると研修とはまた別の緊張感がありました。加えて、資料作成やミーティングへの参加など、すべてが初めての経験。毎日が緊張と発見の連続で、慣れるまでに3ヵ月位かかってしまいました。

慣れないながらも毎日の業務に必死で取り組むうちに、WordやExcel、PowerPointはどうにか一通り使えるようになりました。また、最初はメモをただ読むだけで精一杯だった全社ミーティングでのスピーチも、少しずつ自分の言葉で話せるようになってきたことは、大きな進歩だと考えています。入社時は研修の場やWORXメンバーとのミーティングで発言することにさえ恐怖感がありましたから。

初めての「講演」を経験!伝えることの大切さを実感

自らの言葉で発信するといえば、もう一つ大きな出来事がありました。地域若者サポートステーションの利用者の方に向けて、新規事業の紹介を兼ねた講演をする機会をいただいたんです。

地域若者サポートステーション(サポステ)は、就業経験がない、働く自信が持てないなど、働くことに悩みを抱える人たちが、就労に向けた準備プログラムや、キャリアコンサルタントのサポートを受けられる場所です。

私自身も不登校の経験があったり、これまでアルバイトの経験しかなかったりと、サポステ利用者の方達と背景が似ています。私がテレビのニュースでWORXを知ったように、私のこれまでの経験を話すことが、利用者の方たちの参考になれば。そう考え、私の学生時代のことやITに興味をもったきっかけ、資格試験勉強の方法などをありのままにお話ししました。

終了後のアンケートには「藤川さんの話を聞けてよかった」、「話を聞いてとても励まされた」といった感想が並んでいました。準備は大変だったし、本番はかなり緊張したけれど、やってみてよかった!自分の言葉で発信することの大切さを痛感した、貴重な経験となりました。