例の女性からメッセージが来た

「今日こそ夫に聞いてみようと思いながら1日延ばしになってしまって。でも今日は絶対と思った日に、例の女性からSNSを通して私にメッセージが来たんです。『わかっているのにわからないふりをしないでください。私はあなたに彼を奪われた女です』って。え、私が奪われつつあるんじゃないのとあわてました」

娘が寝静まってから、夫にそのメッセージを見せた。夫の顔がみるみる真っ青になったのをユキさんは覚えている。

どういうことかと尋ねると、夫はうなだれながら説明した。ユキさんと知り合った当時、夫はまだ恋人と別れていなかった。半年ほどダブっている時期があったのだという。その後、夫は恋人と別れ、ユキさんと結婚。だが彼女は納得がいっていなかったようで、結婚後も折に触れて連絡があった。

「3年ほど前、彼女が婚約解消されたことがあり、『死にたい』と連絡があったので実際に会いに行った。そこから関係が復活してしまった。

もちろん、たびたび会っていたわけじゃない、会ったのは3回くらいと言っていましたが、本当かどうかはわからない。彼女のほうは自分が本当の妻だとさえ言っているわけですから」

いずれにしても、夫と彼女の“関係”じたいは、ユキさんと夫のつきあいより長いわけだ。それがユキさんを苦しめた。

「大事なのはこの家族だから」と夫は言った

「夫と彼女の関係について、怒るというより幻滅したといったほうがいいかもしれません。 結婚前にすっきりさせておいてくれなかったこと、会いに行ったのは彼女を救うためかもしれないけど関係を復活させたのはなぜなのか。娘や私の顔は浮かばなかったのか。

なにより絶対的な信頼関係ができていると思っていたのは、私だけだったのかという虚しさ。それらを夫に話しました。夫は黙って聞いているだけだった」

夫が不倫相手と別れる現場に呼び出された妻。流血の修羅場の後も悪夢に悩まされ…
(画像=『女子SPA!』より引用)

同じ部屋の空気を吸いたくない。ユキさんはそう思った。だが娘の手前、いきなり別居というわけにもいかない。葛藤(かっとう)したが、「このままだと私が壊れる」という思いが強かった。

「コロナ禍で移動するのも大変な時期だったけど、夫にどこかホテルへでも行ってほしい、出ていってと言いました。夫はわかったと言って出ていきました。娘にはおとうさんは急な出張と言うしかなかった」

離婚か別居継続か元の鞘(さや)に収まるか。3択の間をユキさんはさまよっていたという。3週間ほどたったとき、夫がいるホテルの喫茶店に呼び出された。遅れてやってきたのは、夫の“元カノ”だった。