山形県鶴岡市は歴史的な建物が多く、散策にも最適な街です。それだけでなく市内から30分の距離には、クラゲで有名な加茂水族館、パワスポとして名高い羽黒山、そして北前船で栄えた酒田があります。この記事では鶴岡を起点としたおすすめスポットをご紹介します。
見どころいっぱいの鶴岡市内
山形の日本海沿岸部に位置する鶴岡市は、庄内地方の中心地でもあり、古くは酒井忠勝が庄内藩主として明治維新までおさめていました。市内には、現在も城下町の雰囲気が感じられます。東北地方で唯一残っている藩校建造物や明治時代の洋館など、見どころが多い点でも、おすすめの場所です。
お城の名残を強く残している鶴岡城址公園には、荘内(しょうない)神社や藤沢周平の記念館などもあり、散策に適しています。必見は、致道(ちどう)博物館で、鶴岡の歴史や文化を知ることができる貴重な場所です。かつての役所や警察署、酒井家のお屋敷だった邸宅&庭園などを公開している博物館は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでも星を獲得しています。
鶴岡を起点に東へ西へ
鶴岡市の北には酒田(さかた)、東には羽黒山(はぐろさん)、西には加茂(かも)水族館があります。どこへ行くのにも、車でおよそ30分。各スポットの周辺を散策したとしても、すべて日帰り圏内ですし、周り方によっては、1日で周ることも可能です。
鶴岡の北・酒田周辺観光スポット
山居(さんきょ)倉庫
酒田は、江戸や大阪に船で荷物を運ぶのが盛んだった江戸時代、北前船(きたまえぶね)の寄港地として繁栄した歴史があります。その名残を感じられる酒田の代表スポットとも言える場所が山居倉庫です。1893年に建てられた倉庫がつらなっており、お米が10,800tも収容可能で、現在も農業倉庫として使用されています。
風よけや西陽による高温防止のために背後にケヤキを植え、内部の湿気を防止するため二重屋根にするなど、様々な工夫がなされています。最上川に隣接して建つ倉庫は、船にお米を積み込むのに便利だったことも利点の一つでした。NHK朝の連続テレビ小説『おしん』の舞台になったことでも、注目を集めました。
酒田市観光物産館 酒田夢の倶楽(くら)
山居倉庫の敷地内には、酒田市観光物産館・酒田夢の倶楽があります。お食事処や地酒、銘菓を扱う幸(さち)の館と、酒田の歴史と文化を伝える華(はな)の館があり、民芸品や工芸品の他、『おしん』の人形ギャラリーもあります。その他、庄内米歴史資料館が併設されており、この一帯は常に観光客で賑わっています。
日和山(ひよりやま)公園
山居倉庫から車で5分の場所にある日和山公園は、約400本の桜が咲き誇る桜の名所です。公園内には、日本でも数少ない木造の六角灯台が保存されています。
現役時代は、酒田灯台として、最上川左岸河口の宮野浦にたっていましたが、昭和33年に近代灯台が完成したことにより、明治の洋式灯台は役目を終え、現在の場所に移築されました。数年ごとに塗り替えられているという灯台は、青空に白く映えて、在りし日の姿をしのばせてくれます。
もう一つ、公園内での必見スポットが、北前船です。「米を1千石(150tの米)積むことができる大きさ」という意味から千石船(せんごくぶね)ともよばれた北前船。巨大な帆1枚で逆風でも進むことができると言われたすぐれた船ですが、公園内では1/2スケールの模型船を間近で見ることができます。