連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」でも、その存在感を改めて見せつけているオダギリジョーさん。映画『転々』、ドラマ「時効警察」シリーズなどで組んで来た盟友・三木聡監督の最新映画『大怪獣のあとしまつ』では、アウトローの匂い漂うドレッドヘアーの元特務隊隊員ブルースを演じています。

オダギリジョー、「仮面ライダークウガで育ててもらった」特撮映画出演で振り返る
(画像=オダギリジョーさん、女子SPA!より引用)

 大怪獣と戦うのではなく、大怪獣の死体処理に奔走する本作。全く新しい空想特撮エンターテインメントに挑戦した本作にちなみ、オダギリさんの“挑戦”への姿勢や、“制約”を乗り越えること、また20年以上経った今も支持される、オダギリさん主演の特撮モノ「仮面ライダークウガ」への思いを聞きました。

三木監督のオファーに「また僕でいいのかな?」(笑)

――これまでにない空想特撮エンターテインメントです。そもそも最初にアイデアを聞かれたときはどう思いましたか?

オダギリジョー、「仮面ライダークウガで育ててもらった」特撮映画出演で振り返る
(画像=『大怪獣のあとしまつ』より、女子SPA!より引用)

オダギリジョーさん(以下、オダギリ)「アイデアは結構前に伺ったんです。オリジナリティがあって面白そうだと思いましたが、規模も大きいしお金も時間もかかるだろうから実現するのは大変だろうなと思っていました。  実際のオファーは、『時効警察はじめました』の撮影が終わってすぐくらいでした。だから、終わったばかりなのに『また僕でいいのかな?』と思いましたけど(笑)。脚本を読ませていただいて、三木監督独特の視点と監督にしか作れない世界観を感じて、改めて参加したいと思いました」

今も愛される「クウガ」に関われたのは幸せなこと

――特撮モノというと、主演作の『仮面ライダークウガ』が今もとても愛されています。ご自身としては、再び特撮モノに出演うんぬんといった意識はないとは思いますが、「クウガ」が今もこれだけ愛されていることはどう感じていますか?

オダギリジョー、「仮面ライダークウガで育ててもらった」特撮映画出演で振り返る
(画像=『大怪獣のあとしまつ』より、女子SPA!より引用)

オダギリ「今も熱い支持があることはすごく嬉しいです。当時のプロデューサーや監督陣、共演者たちとは、今も年に一回は会って飲んだりする関係が続いていますし、LINEグループもあって、『クウガ』関連の情報も流れてくるんです。先日も『仮面ライダー総選挙があって、クウガは何位だった』とか、グループ内で話題になったり(笑)。未だにファンの方の熱い思いが続く作品ってスゴイなと思っています。放送から20年を超えてますからね。  そうした作品に関われて幸せだと思っています。僕にとって初めての大きな作品でしたし、育てていただいた思いもあります。ただ、それが偶然特撮作品だったというだけで、特撮に対しては今も特別な思いはないんですよね(苦笑)。今回も、三木監督の脚本が面白かったから参加したということだけなんです」

モノづくりは制約を乗り越えてもっと面白くなる

――本作は、クランクイン後にコロナ禍で撮影が中断したり、さまざまな難題もあったとか。三木監督が「新しいものは往々にして制約から生まれる」とコメントされています。俳優であり、クリエイターでもあるオダギリさんはこの言葉をどう受け止めますか?

オダギリジョー、「仮面ライダークウガで育ててもらった」特撮映画出演で振り返る
(画像=『大怪獣のあとしまつ』より、女子SPA!より引用)

オダギリ「僕も昨年『オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ』というドラマをNHKで作らせていただきましたが、NHKって制約の塊なんです。それをいかに逆手に取って面白くしていくかの連続でした。  制約があるからこそ抗えたり、乗り越えようとしたり、もっと面白いアイデアで上回りたいという気持ちになる。NHKでなければ、脚本を超えることはなかったと思います。三木監督に限らず、モノづくりをする人たちというのは、制約をいかに飛び越えるかみたいなものを楽しむんだと思いますね」 ――その方が燃えるんですかね。 オダギリ「燃えるし、何をやればいいかが明確になっていきますよね。『好きなように自由に作ってくれ』と言われるほうが、作品がぼんやりしちゃって面白くないかもしれません」