一生に一度は行きたい「こんぴら参り」。“こんぴらさん”の通称で親しまれる「金刀比羅宮(ことひらぐう)」への参拝は決まっているけど、グルメやショッピング、温泉も楽しみたい・・・。という方へ向けて、1泊2日で楽しめる筆者考案の観光モデルコースをご紹介します。
【1日目】こんぴら参りを満喫!
10:00 JR・ことでん「琴平駅」到着
まずはこんぴら参りの玄関口・琴平(ことひら)駅を目指しましょう!岡山駅からは、高知方面に向かう特急「南風(なんぷう)」号に乗って約1時間で行けるほか、高松駅からはJR予讃(よさん)線・土讃(どさん)線の快速で約50分、高知方面の特急「しまんと」号を利用すれば約35分でアクセスできます。
またJR高松駅から歩いて5分のところにあることでん・高松築港(たかまつちっこう)駅から、ことでん・琴平線に乗っていくことも可能!約1時間2分と時間はかかるものの、JRよりも安い運賃で移動できるので、高松市内の観光とあわせて考えている方はぜひ検討してみては。
10:10 歴史ある温泉旅館「敷島館」に荷物を預ける
駅に着いたら、今回の宿泊先に立ち寄って荷物を預けに行きましょう!今回筆者が宿泊したのは、「ことひら温泉 御宿 敷島館(おんやど しきしまかん)」。かつて国の登録有形文化財にも指定された老舗温泉旅館で、2019年8月にこんぴらさんへと続く表参道に復元されオープン。観光客を中心に人気を集めています。
10:20 四国屈指のパワースポット「金刀比羅宮」を参拝しよう!
荷物を預けたら、「こんぴらさん」の名で親しまれている香川随一のパワースポット「金刀比羅宮(ことひらぐう)」を参拝しましょう。表参道から少し歩くと、石段の1段目に到着。目的地の「御本宮(ごほんぐう)」までは、片道で約30分かけて785段の長い石段を上ります。
785段の石段と急勾配が続く参道を歩くと、体力がきつくなるはず。お参りする際には、動きやすく着脱しやすい服装と履きなれたスニーカーで行くことをおすすめします。また表参道周辺にある店舗では、無料で杖をレンタルすることができるので、ぜひ利用しましょう。
土産店や旅館などが立ち並ぶ門前町を歩くと見えてくるのが、金刀比羅宮の境内の入口「大門(おおもん)」。江戸時代中期、水戸黄門としても有名な徳川光圀(とくがわみつくに)の兄で、高松藩主・松平頼重(まつだいらよりしげ)によって寄進されたといわれています。また大門周辺からは、門前町や琴平の街並みも眺められるのでチェックしてみて。
大門をくぐると、特別に販売を許可されている「五人百姓(ごにんひゃくしょう)」と呼ばれる5軒の飴屋さんがあります。ここで取り扱っているのが、約800年の歴史を誇る黄金色のべっこう飴「加美代飴(かみよあめ)」。付属の小槌でたたいて割りながら食べる一品で、水飴の甘さと柚子の風味を楽しめます。
約150メートルの石畳の道を歩くと、「しあわせさん。こんぴらさん」という文字が書かれた黄色の看板を掲げた鳥居「桜馬場西詰銅鳥居(さくらのばばにしづめどうとりい)」に到着。元々はことでん・琴平駅の近くに立っていましたが、大正時代に当時の力士によって現在の場所に移されました。
また鳥居の近くには、「こんぴら狗(いぬ)」と呼ばれる犬の銅像があります。江戸時代、参拝者の代わりに犬をこんぴら参りに向かわせる風習があったことに由来しており、参拝者の願いを書いた木札や初穂料、道中の食費などが入った袋を首にかけているのが特徴です。
さらに石段を上がると628段目に見えてくるのが、「旭社(あさひやしろ)」。江戸時代後期の竣工まで約40年もかかった社で、国の重要文化財にも指定されています。『古事記』にも登場する「天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)」などの神様が祀られており、上層の屋根裏に描かれている巻雲や、柱の彫刻にも注目です。
11:00 御本宮へ到着
旭社を参拝した後は、いよいよ「御本宮(ごほんぐう)」へ!途中、手水舎でお清めをして最後の難所である133段の急勾配な石段「御前四段坂(おまえよだんざか)」を上がると、御本宮へ到着します。現在の社は明治時代に改築されたもので、農業・殖産・医薬・海上守護の神様が祀られています。ここで、二拝二拍手一礼をして神様に願い事を伝えましょう。
御本宮とあわせて訪れたいのが、近くにある展望台。眼下には讃岐平野や讃岐富士(飯野山)を眺められるほか、天気が良ければ、瀬戸内海や瀬戸大橋も見えます。
また社務所では、金刀比羅宮を代表するお守り「幸せの黄色いお守り」(800円)をはじめとしたお守りやお札を授与いただくことができ、病気や災い事といった魔除けにご利益があります。さらに社務所から少し歩くと、「こんぴら狗の開運みくじ」が。おみくじを引くと一緒に金色の「こんぴら狗守り」がついてきます。
こんぴら参りは、御本宮だけでは終わりません!実は御本宮の右側にも参道が続いており、距離にして約1.2キロメートル、583段の石段を上がると「奥社(厳魂(いづたま)神社)」に参拝できます。御本宮に次ぐパワースポットとして、金刀比羅本教の神様が祀られていますが、結構急な坂道や石段が続くため、体力に自信がない方は無理をしないように気を付けて。
参拝前後に金刀比羅宮のアートスポットに立ち寄るのもおすすめ
金刀比羅宮の境内には、日本を代表する画家の作品を鑑賞できるアートスポットがあります。431段目のところにある「高橋由一館(たかはしゆいちかん)」では、日本洋画を開拓した明治時代初期の画家・高橋由一の作品を展示。風景画や豆腐を描いた作品など、27点の絵画を鑑賞できます。
また477段目にある「表書院」では、江戸時代後期に活躍した画家・円山応挙(まるやまおうきょ)の障壁画を展示。墨一色で描かれた作品から虎の表情を正確に描いた作品などを鑑賞できます。