「清潔で飽きない」が「生活ペースの速さに疲れる」東京

13位から19位に後退した東京。外食の充実度と公共交通機関、生活費の手頃さで高評価を受けているものの、幸福度や文化性の評価は低め。

実際に東京で暮らした外国人の多くが 、「清潔」「飽きることがない」「寺や神社が風流に都会の隙間から顔をだす」「英語の標識が豊富であまり言葉の心配をしなくていい」などを東京の美点として挙げているが、「生活ペースが早過ぎる」「働き過ぎ」「空気が悪い」「騒音がひどい」「生活費が高い」「ひじ鉄をくらわせながら、くらいながら電車に乗らなければいけない」などには辟易しているようだ。

日本とともに大きく順位を下げたのはメキシコ(7ランク減)、ロサンゼルス、シドニー、ドバイ(各12ランク減)、マイアミ、香港(各15ランク減)など。生活費の高騰や人口密度の高さに加え、ロサンゼルスは「友人が作りにくい」、マイアミは「交通の便が悪い」、ドバイは「労働時間が長く、生活費も非常に高い」ことなどが、減点の要因となった。

シドニーはメルボルンよりもはるかに娯楽面の発展が遅れているものの、人々の幸福度は高い。一方交通の便では最高評価を受けた香港で暮らす人々の幸福度は、32都市中最も低かった。

7割が「5年後もこの都市で暮らしている」と答えたシカゴ

32都市中9都市がランクインした米国都市の中でも、最高の評価を受けたシカゴの魅力は何だろう。評価 ではテレアブに次ぐ飲食店の充実度、数えきれないほどの美術館や公園、劇場など文化度の高さ、人々の親しみやすさと幸福度、生活費の手頃さなど、住民が心地よく暮らせる環境が整っている。

犯罪を含む危険性はつきまとうものの、調査では65%のシカゴ在住者が「5年後もシカゴに住んでいると思う」と答えた。

初登場のフィラデルフィアの人気は、生活さの安さと生活の楽しさ。しかし「お金の心配をせずにほかの都市に移住できるとしたら―」という質問では、多くの人が「移住する」と答えた。つまりフィラデルフィアで暮らす最大の魅力は、生活費の安さということだ。

初登場2位のポルトはどんな都市?

初登場で2位をメルボルンからうばったポルトも気になる。ポルトはポートワインの生産として有名で、リスボンに次ぐ第2の都市だ。「ポルト歴史地区」として世界遺産に登録されるなど観光地としても人気が高い。人々が親しみやすく自由に伸び伸びと暮らせるだけではなく、生活費の低さ、医療システムの水準の高さでも 高評価を受けている。

昨年のトップ3から8位に転落したリスボンは観光客にとっては安上がりな都市とされているが、住民にとってはそうでもないらしい。ポルトよりは物価や不動産が高く、医療システムの水準もおとる。

アジアからは北京、上海、バンコクなどが、欧米からはベルリン、エディンバラ、マンチェスター、ワシントンDCなどが初登場でトップ30入り。生活水準の高いことで知られるチューリッヒの順位が意外と低めだが、実際に暮らしていると「人が素っ気ない」「食べものや文化的な面が今ひとつ」など、不満な点も多々あるようだ。

このランキングは評価項目から判断すると限り、どちらかというと「所帯をもたない若い層に住みやすい都市」という印象を受ける。同類のランキング常連のカナダや北欧の都市が対象にならなかったのが残念だ。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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