中国でも日本人インフルエンサーがブレイク
一方、中国ではどうか。中国エンタメ専門家の山下智博氏は「中国では日本のアイドルがそのまま人気を得ている。矢野浩二さんなど叩き上げの俳優も広く認知されており、インフルエンサーも少なくない」と話す。
実際、bilibili動画を中心に総フォロワー数400万人超の松浦文哉氏、Weiboで270万フォロワー数のフードファイター木下ゆうからがいる。自身も中国のSNSで総フォロワー数650万人を持つ山下氏曰く、海外でインフルエンサーになるための5大要素が①対象国に向き合える時間②歌唱力、ダンス、演技、容姿などの才能③キャラクター性④言語力⑤トレンドを掴む嗅覚、だという。
「最低でも2つ。できれば3つ揃うことが必須条件になります」
日本人は「隙がある」のが人気の秘密？
また、中国ではSNS運営側がインフルエンサーと協力関係を築き、限定配信などで一緒に盛り上げていくことも珍しくない。
「Weiboやbilibiliで今からトップになるのは難しいですが、抖音（Doyin）や小紅書（RED）など日本人の少ない新興SNSならまだスターになれる余地がある。運営チームとうまく利益共同体の関係を構築できれば、SNSが日本進出する際にももり立ててくれるはずです」 メディア業界ジャーナリストの長谷川朋子氏は「海外のエンタメ関係者からは、『日本人はつい応援したくなるのが魅力』と聞きます。完璧さにこだわる韓国や欧米のアイドルより、隙（スキ）があるのが良いということです」と話す。
逆輸入アイドルブームは、今後も加速していくのか……？
【平松道子氏】 合MIDUMU代表。韓国の最大手エンターテインメントコンテンツ会社の日本法人でマーケティング、広報、コンテンツ開発などを5年半にわたり担当
長谷川朋子氏
【長谷川朋子氏】 メディア業界ジャーナリスト。世界最大規模の映像見本市MIP現地取材、「ATP賞テレビグランプリ」審査員など。著書に『Netflix戦略と流儀』（中公新書ラクレ）
取材・文／中野 龍 和場まさみ 安宿 緑 撮影／清田大介 写真／時事通信社 週刊SPA！編集部
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