ビサンのメニュー
「パレスチナの本格家庭料理。それは、中東で待つ優しい母の味」という文字がまず目に入ります。つまりビサンの料理のコンセプトはパレスチナの家庭料理。パレスチナの定番料理といってよいでしょう(とはいえトルコの料理などもあります)。
メニューは写真付きで、それぞれの料理に簡単な説明があります。図鑑を見ている楽しさを感じました。知らない人に丁寧に伝えたいというフレンドリーさを感じるメニューです。
フムス(ホンムス)
フムス※は日本のポテサラくらい個性の幅が広い料理なのですが、ビサンのフムスはクリーミーです。中東のゴマペースト「タヒーニ/Tahini」の風味が強く感じられ、塩もしっかりめで食べ応えがあります。
ビサンのフムスは、イスラエルで人気とされるフムスの傾向と似ている気がしました。イスラエル人が食べても「これこれ!」となる気がします。
※フムス(Hummus)のカタカナ表記にはバリエーションが存在します(ホンモス、フンムス、フムス、ハモスetc)。
- フムス/900円
ファラフェル
ファラフェルの説明で「ひよこ豆のコロッケ」という表現がよく使われますが、本当にコロッケを食べている気分でした(日本のお惣菜屋さんにあるようなやつ)。「おかんが作った」とか言われれば納得する食べ応えです。
念の為ですが、ファラフェルはコロッケではないです。衣は使わず、すり潰したひよこ豆や香辛料を、そのまま揚げます。コリアンダーやクミンの風味が強いので、日本で言うカレーに近い味がします。
ビサンのファラフェルは家庭的ゆえに唯一無二といった味わいで、「イスラエルのファラフェルではない」と言い切れそうな味です。とても美味しいです。
- ファラフェル/1300円
ビサン=パレスチナ料理/裏イスラエル料理
レストランのビサンはパレスチナ料理ですが、町のビサンはイスラエルにあります。「Beit She'an/בית שאן」とも呼ばれており、奇しくもイスラエルの北区(Northern District/北県とも言える)に位置します。
イスラエルの北区にはパレスチナ系の市民が多く暮らしており、「アラブ系市民※」などと総称されます。郷土料理の解釈には幅があり、パレスチナ料理、パレスチナ系イスラエル料理、アラブ系イスラエル料理、などと言えるのかもしれません。
※「アラブ系市民」はイスラエルの国民の2割を占めますが、アラブ系市民の全てがパレスチナ系というわけではないです。
現地の郷土料理については、「イスラエルがイスラエルになる前から住んでいた人が食べていた料理」と言える可能性もあります。こういった事情があるため、「イスラエル料理は無い」など言われたりもします。(イスラエル建国は1948年)。
パレスチナ料理と主張するのは、日本で無理矢理例えるならば、「だし巻き」を日本料理でもなく関西料理でもなく京料理と主張するスタンスに遠からず近からずな状態です(なるべくしての理由はきっとある)。
ビサンの料理はパレスチナの家庭料理であると同時に、(裏)イスラエル料理という見方もできるのではと思います。
提供・トリップノート
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