【IT用語】RPAとAIの得意分野

RPAの特徴として「人が行う作業を任せられる」がありますが、この「作業」については制約があります。

それは、「一定の規則性がある作業」「RPAのルールに則った作業」である、ということです。

RPAは自動的に作業を行ってくれる便利なロボットですが、あらかじめプログラムされた(指示された)、例外的なものを含まない作業であることが必須です。

AIとの最大の違いは、「AIは学習するが、RPAは学習しない」という部分です。

【知ってる?IT用語】③RPAとAI〜ロボットと人工知能〜
(画像=『転職の地図』より引用)

RPAは規則に従った一定の作業を行うことはできますが、それ以上のことはできません。

反対にAIは、インプットを続ければどんどん学習して成長するのです。

例えば、動物の写真を見て、その中から「犬」を判断できるAIを開発するとします。

その場合、AIに犬の写真を記憶(インプット)させます。

あらゆる犬種のあらゆる角度や仕草など、多数のパターンの画像や動画(もしくは生体)を「犬」として記憶させることで、AIはさまざまな種類の「犬」を判断できるようになります。

これがAIの大きな特徴、学習です。覚えさせたことを実行できるのはRPAも同じですが、AIと決定的に異なるのは「知的行為が可能かどうか」です。

上記のようなケースでは、RPAはあらかじめインプットした犬の写真しか「犬」と認識できません。

しかしAIはあらかじめ複数のパターンの犬をインプットさせておけば、全く別の「犬」を見せた場合も、蓄積されたデータ(骨格や動作などのあらゆるデータ)をベースにして「犬」と判断することが可能です。

マルチーズしか知らないRPAは、トイプードルを「犬」とは判断できません。

ですがAIは、たとえマルチーズのインプットしかない場合でも、そのデータ量が十分であれば、応用してトイプードルも「犬」と判断できる…つまり学習したことをベースに、考えて判断するという知的行為が可能になっています。

この仕組みはまさに私たちの脳で起こっていることの再現、つまり「人工知能」です。

私たちに置き換えて考えても、馴染みのない犬種を見た時でも「犬だろう」と、すぐに判断することができます。

この時私たちの脳内では、過去に記憶した「犬」「その他の動物」の膨大なデータを元に、瞬時に近いものと関連づけるという知的行為が行われています。

先述のAIもこれと全く同じロジックで動いているのです。(知的行為の「認識」「推論」が組み合わさったケースです)

私たちの脳は、経験したことを次の行動や思考に活かせますが、AIも同じような動きをすることができます。

このような特性を持ったAIは、マーケティングや開発、医療の現場など様々な場面で利用され、またその機能の向上が日々図られています。

【IT用語】RPAとAIはそれぞれの良さがある

では、RPAはAIに劣っているのでしょうか。

そうではありません。

AIとRPAはそれぞれ得意とする作業が違います。

混同されてしまうことが多い両者ですが、全く別のものなのです。

例えば経理作業やメール送信などのシンプルな作業はコストパフォーマンスに優れた「RPA」が適していますし、逆にタクシー広告のように、データをベースに乗客の顔から性別や年齢を判断し、最適な広告を表示するなどの能動的なアクションが必要な場合は、「AI」の出番です。

RPAとAI、どちらが優れているというものではなく、全くの別物だということを、ぜひこの機会に覚えてください。

RPAとAIは、それぞれ活用の場が異なり、全く別の価値を生み出すことができるものなのです。

こうしたテクノロジーに触れる機会は日々増えています。

用語や基礎的な考え方をしっかり覚えて、まずは生活や仕事の身近なところで活躍しているRPAやAIを見つけて、その特徴に注目してみましょう。


提供・転職の地図

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