コロナ前となる2020年3月期の松屋(松屋フーズホールディングス<9887>)の年間売上高は過去最高の1,065億円。経営状態は良好でした。

しかし、新型コロナ流行後の2021 年3月期は売上高が大きく減少、営業利益は大幅な赤字になっています。2022年3月期もまた赤字となる見通しです。松屋2年連続赤字の要因を探っていきます。

松屋の営業利益は2年連続20億円以上の赤字に

松屋フーズの2021年・2022年3月期第2四半期の営業損失はともに20億円以上でした。

<営業損失>
2021年3月期第2四半期 2022年3月期第2四半期
24億5,500万円 21憶3,600万円

2022年3月期の年間営業利益も赤字となることはほぼ確定しています。

営業利益連続赤字の要因1:売上高の減少

松屋フーズの営業利益が2年連続の大幅な赤字となる要因として、まずコロナ禍による売上高の減少が挙げられます。感染拡大による休業や営業時間の短縮で来客数が大きく減ったのが売上高に大きく響いているようです。

ここ3年間の第2四半期売上高を比較してみました。

2020年3月期第2四半期

2020年3月期第2四半期
(コロナ流行前)
2021年3月期第2四半期
(コロナ流行後)
2022年3月期第2四半期
(コロナ流行後)
520億9,000万円 449億3,100万円 451億7,300万円

2021年3月期第2四半期はコロナ前より売り上げを落としています。2022年3月期第2四半期も前期より微増したものの、コロナ前には及びませんでした。

営業利益2年連続赤字の要因2:売上原価の増加

もう一つの要因として、売上原価(食材費等)の増加が挙げられます。

2022年3月期第2四半期の売上原価は、前年同期より3億円以上増加。それに伴い、原価率も前年同期より増えています。

一般的に、飲食店の原価率の目安は30%とされていますが、松屋の原価率はそれ以上です。それも2年連続赤字を招いた要因といえるでしょう。