5.正しい犬のダイエット方法
肥満が犬の健康を脅かすのは確かなことですが、正しい知識のない乱暴な減量も非常に危険です。食事・運動それぞれのダイエットにおける大切なポイントを見ていきましょう。
食事面で気を付けること
ポイント1 適正体重の正しい把握
繰り返しになりますが、食事によるダイエットで最も必要なのは、獣医師とともに適正体重を算出し、正しい目標値や一日に摂取するべきカロリーをしっかりと把握することからスタートするのが一番のポイントです。
ポイント2 ダイエットフードの利用と移行期間
それまでのドッグフードを見直し、ダイエットフードを与えることを始めます。ただし、突然全ての食事を変えるのではなく、緩やかな移行期間を設けます。
まずは食事全体の4分の1量を1〜2日間ダイエットフードに。さらに2日間は2分の1量に増やし、最後の2〜3日間は4分の3程度に。このように一週間ほどゆっくりと時間をかけてダイエットフードへ切り替えていきましょう。
ポイント3 経過観察と見直し
こまめに体重を測定しながらの丁寧な経過観察も大切。ダイエットフードを始めてから90日以内に望ましい体重減少が見られない場合は、一日の摂取量やフードのタンパク質の配合などを見直す必要があるでしょう。
運動面で気を付けること
ポイント1 正しいウォーキングの認識
ここでいうウォーキングは、遊びを目的とした“お散歩”ではなく、健康維持を目的とした“運動”です。このウォーキングは、おそらくみなさんが日常的に行っているお散歩とは、歩くペースが大きく違うでしょう。
APOPが推奨しているウォーキングのスピードは1マイルあたり約15分。つまり、約1.6kmの距離を15分間で歩きます。ペットの年齢や健康状態にもよって変わりますが、まずはこの認識がポイントとなるでしょう。
ポイント2 運動方法や遊び方の工夫
外でウォーキングをしたり走り回ったりすることだけが運動ではありません。水泳やボール遊びも立派な運動であり、それは犬種や年齢、性別、身体能力、知的関心によって適したものが変わります。トレッドミルのようなマシンも、外で運動ができない事情のある犬にとっては非常に効果的な運動器具。愛犬にとって最適な運動方法を見つける工夫をしてみてください。
ポイント3 一日の運動時間
一般的に、一日の運動時間として30分設けることが推奨されています。愛犬にとって適した運動方法が決まったら、ぜひこの時間も目標に置いてチャレンジしてみてください。
6.ダイエットを成功させるポイント
ダイエットを成功させるポイントとしては、愛犬の現状を正しく把握することと、自己流は避け、定期的に獣医師との連携を図ること。この二点のポイントを詳しく見ていきましょう。
ポイント1 愛犬の現状を正しく把握する
ダイエットスタート時、そのときの体重や適正体重からの解離具合を見てはじめることが大切ですが、これはダイエットの過程でも同じことが言えます。
やみくもに食事を減らしたり運動をするのは内臓に負担がかかることもありかえって危険。体に負担なく、本当に効果的なダイエットができているかの可視化が必要です。与えた食事量やその内容、体重や愛犬の様子など、こまめに経過観察をしながら推移を記録していきましょう。
ポイント2 獣医師とダイエットプランを作る
たとえしっかりと経過観察をしていても、飼い主だけがそれを見ながら自己流ダイエットを進めていてはあまり意味がありません。専門家である獣医師にも経過を共有し、愛犬の健康を守る“伴走者”になってもらいましょう。そうすることによって、適切なダイエットプランの継続や見直しを図ることができます。
7.ダイエットの際の注意点
ダイエットをする際に絶対に注意しなければいけないのが、過度な食事の減量にならないようにすること。「早く結果を出したい!」そんな焦りからつい、急に食事量を減らしたり、減らす量を極端に多くしたりしてしまいがちですが、これは非常に危険です。このようなクラッシュダイエットによって、肝不全などの深刻な病気を引き起こしてしまう可能性があります。
犬にとって体重を減らすということは、それほど簡単なことではありません。3~6か月間ほどを目標達成期間として、獣医師と相談しながら、段階的で安全なダイエットになるよう心がけましょう。
8.まとめ
犬の肥満は、命をも脅かすとても重大なもの。
そしてダイエットとは、正しい情報と認識のもとに行う、飼い主と獣医師との共同作業であることがわかりました。
守るべきは愛犬の健康寿命。どんなに年を重ねても、理想的な体型を維持しながら、いつまでも元気な姿で一緒に過ごしたいですね。
提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)
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