佐渡島にある尖閣湾揚島遊園は、元祖『君の名は』(菊田一夫原作の映画)のロケ地となったスポット。日本渚百選に選定された海岸の荒々しい力強さと美しさを、遊覧船で眺めることができます。ロケ地に選ばれるほどの画力のある海岸線と園内のおすすめスポットをご紹介します。
尖閣湾って?
「尖閣湾」は、佐渡市西部にある海岸にある景勝地です。「尖閣」という名は、ノルウェーのハルダンゲル峡尖に似ていることからそう名付けられたそう。
尖閣湾一帯は、昭和25年に国定公園に指定されました。この景観の特徴は、奇岩や奇石と言ってもいいゴツゴツした荒々しい海岸です。海に沿って多くの丘や崖がありますが、その全てが海や風の浸食により特異な形になりました。
周辺は「尖閣湾揚島遊園」として整備されており、観光客は遊覧船でこの景色を真近で楽しむことができます。遊覧船までの道すがら、この奇景を高台から眺めることができます。上から見ると浸食した様子がとてもよくわかります。抜けるような海と空の青の色がつらなって気持ちのいい景色ですね!
遊覧船乗り場へ
さて、この海岸を見下ろす場所から、どうやって遊覧船乗り場までいくかというと・・・
なんと山の中に開かれたこんな洞窟を通っていくんです。ちょっとしたアトラクション気分になりますね。
さて、洞窟を抜けると船着き場へ。すでに船長さんが乗客を待ってスタンバイしています。
同時に複数便出ているので、ちょっと先に出向した船は、こんなふうに海鳥に囲まれながらの出向です。にぎやかな出向でいいですね。
遊覧船から見る尖閣湾
遊覧船はグラスボートも兼ねていて、外の景色と海中の様子を眺めることができます。
舟はトクトクトク・・・というのんびりとしたエンジン音を響かせながら海原へ進んでいきます。さっきまで見下ろしていた奇岩たちが目の前に迫ってきました。
こんな風に海の中から、ちょぼちょぼと突き出しているんものが多いんです。高さは20~30メートルほどのものがほとんど。岩の表面すべてが削られている様子をみると、海や風の力って本当にすごいんだなあ~って思いますね。
さて、船内ではたくさんある奇岩のなかで、代表的なものを紹介するガイド音声が流れています。いろんな形に浸食されていますが、それらを何かの形に見立てて区別しているようです。例えばこれなんかワシに見えませんか?
濃紺の水面の上に、奇岩と奇岩をつなぐ橋が見えます。人工的な曲線と直線で形どられた橋は、海や風で複雑な形に浸食された奇岩と対照的で生えますね。
15分程度のクルーズをおえて船を降りると、海鳥たちが船着き場の岩肌にとまって我々をお出迎えです。海にいる鳥って、どこにいっても人懐っこいのは気のせいでしょうか? 今回見た範囲では餌をあげている様子は見られなかったので、なぜなついているのか不思議です。
揚島とまちこ橋
さて、先ほどの船から見えた橋に行ってみましょう。船から眺めた時は両サイドの奇岩の大きさにかくれて、なんだか小さい橋にみえましたが、近づいてい見るとそこそこの大きさがあります。
奇岩とおもったのは「揚島」という名がつけられた島でした。揚島にかかるこの橋は「遊仙橋(ゆうせんきょう)」という名前ですが、通称「まちこ橋」と呼ばれています。
「まちこ」とは、『君の名は』のヒロイン・氏家真知子にちなんだもの。近年だとアニメーション映画の『君の名は。』がヒットしましたが、そっちではありません。もともと『君の名は』という作品が、1952年にラジオドラマとして放送されました。橋の名前にもなったヒロインの真知子と春樹の恋愛ドラマです。
ラジオでヒットし、映画化、テレビドラマ、舞台とどんどんその媒体を広げていった人気作品。名も知らないまま再開を約束した2人の恋愛ドラマです。だから『君の名は』なんですね。そのロケ地がここ尖閣湾なんです。
橋を渡って揚島に向かうと、この間から見える景色がまた絶景です!先ほど自分たちも乗っていた遊覧船が、岩と岩との間を時折通っていきます。濃紺の海と荒々しい岩の最高のコントラスト楽しむことができます。
さて、揚島に上陸すると意外にもすぐに見えるのは売店。ドリンクやソフトクリームを販売しています。そんな揚島から見た景色がこちらです。
向こうに平らな崖が見えますよね。尖閣湾は、昔の海岸平野だったところが隆起して、海や風に削られたものです。平野が削られたからあんなふうに、平らなんですね。尖閣湾はこれで終わりではありません。