映画はもっと自由でなきゃいけない

――本作では、出所者に寄り添う保護司の姿を描いていますが、今、時代はどんどん排他的になっている気がします。そうした世の中で、映画はどんな存在になっていけばいいと思いますか?

磯村勇斗が語る「みんなが孤独になっている今、できること」
(画像=『女子SPA!』より引用)

『前科者』より

磯村「特にここ2年、なかなか人とのかかわりもなくなって、余計に排他的になって、個人だけでなく社会全体にもそうした空気を感じます。どんどん孤独になっている。そうしたなかで映画はもっと自由に表現していくべきだと思っています。映画が社会に侵食されたら終わり。その風潮も感じないわけではありません。でもそこを戦っていくのが映画だし、時代を切り取って、歯向かって乗り切っていくべきだと思います」

――時代の枠に狭められそうになっても、決して恐れず、映画は自由であってほしいと。

磯村「あってほしいというより、自由でなきゃいけないと思います。そして同時に、映画は娯楽として最高のものです。もっと映画が身近になるにはどうしたらいいかなと、すごく考えています」

映画を愛する人たちを大切にできる現場づくりを

磯村勇斗が語る「みんなが孤独になっている今、できること」
(画像=『女子SPA!』より引用)

『前科者』より

――役者としてはどんな思いを抱いていますか?

磯村「時代を読み取って、流れに流されず、どう自分として表現していくのか。それはこの先もずっと大事だと思っています。さらに思うのが、現場でスタッフさん方を見ていると、やっぱり映画を愛してるんですよね。ただただそれだけなんです。

 だから苦しくても大変でも踏ん張ってやっているけれど、映画作りの環境がもっと充実したものになっていけるように、そこに向けて、自分も俳優としてもっと力をつけていかなければと思っています。映画を愛する人たちを大切にできる現場づくりを、ちゃんと見つけていきたい。俳優としてひとつひとつの作品を大切にしながら進んでいくのはもちろんのこと、そうした目標も持っています」