ポイント2:導入のキャッチーさで惹き付ける

 久能の言うことは基本的に、いわゆる正論と言っても差し支えない。普通なら、正論を振りかざす人間は鬱陶(うっとう)しがられたり、人としての浅さを連想させ周囲の皆さんの耳のシャッターを下ろさせてしまうだろう。  ただ、久能の場合は自身の有能さをアピールするためではなく、“正論”を証明するために知識を使用している。マウントするようなイライラさせる話し方ではないため、敵意を持たずに安心して耳を傾けられるのではないか。

 他にも、久能が何かを諭す際、「風呂光さんがなめられないように気をつけなければいけないのは、この署のおじさんたちにだと思います」「よくわからないんですけど、その元カレはイカダでも作って大陸に行ったんですか?」など、続きが気になるセリフを口にしてから話し始める。どれだけ内容が素晴らしい記事でもタイトルが悪ければ読まれないように、久能はそこにいる人間の意識をグッと自分に向けさせるワードセンスがとても凄い。

伝わりやすい表現の勉強になる

 他者にものごとを説明するためには、知識や語彙力が求められる。それらを身に付ける努力をせずに「あいつらは理解力がない」と決めつけるのは傲慢でしかない。『ミステリと言う勿れ』を見ながら、あるいは田村由美の原作を読みながら、伝わりやすい表現を模索したい。

<文/高萩陽平> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 高萩陽平 恋愛系のメディアで多数執筆。10年前からmixiやスカイプちゃんねるなどでネットナンパに没頭。数年前からマッチングアプリに参戦して結果を出し続けている。元アイドル、100キロ越えのふくよかさんなど、多種多様な女性との交際歴を持つ。

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