## チャラい殿方、彼女持ち疑惑殿方
その後チカポンさんは、結婚するならソッコー誰かと会わねば!と、マッチングアプリを始めますがこれもまた一波乱あり…。本書によるとプロフィール画像から男性の特徴はわかるそう。「行きつけ(推定)のジムの前で半裸写真」をプロフ写真にしているのは、ちょっとチャラい殿方。スマホからナルシス臭がしそうです。
さらに「明らかにおなごとのデート写真をトリミング男」。元カノさんとの思い出なのか、今カノさんがいるのか、謎は増すばかり。実際には会ってみないとわからない、と本書。女の影がある、という覚悟はしておいたほうがいいかもしれません。
## その幸せ、今、必要?
チャラい殿方、彼女持ち疑惑殿方 本書は6章のマンガと6つのコラムで構成されていますが、最初は「とにかく結婚したい!」というパワフルさが炸裂。読み進めるうちに、「私が本当に必要なのは何?」という内観姿勢に移っていきます。ラストには、図らずもホロリ。
「私はなぜ結婚したいの?」と自問自答して、チカポンさんは自己を振り返ります。「恋がうまくいってないのは、今はまだその時期じゃないだけ。仕事を頑張ればいずれ恋もついてくる」と、占い師に指摘され、自分磨きに努めようと決意するのです。
マッチングアプリで得た経験は、きっとお笑いに還元してくれるはず。これからのチカポンさんに期待大です。
<文/森美樹>
森美樹
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx