香川県高松市の観光といえば、うどんにアート、庭園や公園など。そんな定番スポットの合間に訪れたい、絶景とおいしいものが一度に楽しめて、かつギャラリーとしての見どころもある、素敵なカフェを2つご紹介します。どちらも高松の魅力がギュッと詰まった場所です。
「掬月亭(きくげつてい)」で庭園を独り占め
高松の定番観光スポット・栗林(りつりん)公園。17世紀頃より高松松平家の代々当主によって増改修がされた、広大な庭園です。池泉回遊式という江戸時代の庭園様式で、背後に背負った山と池の景観、起伏のある庭園内から見る景色が特徴にもなっています。
その庭園内の一角にあるのがこの掬月亭です。池を中心とした景色を眺めながらお茶とお菓子を楽しめる、お休み処のような場所で、庭園と一体化した雰囲気が醍醐味。日本家屋は外と中の区切りが曖昧なのが特徴だと言われていますが、それを体現したかのような、景色と建物の魅力が同時に伝わってくる空間です。
ベストポジションは池を真正面に見る中央の席ですが、隣には玉砂利と森林がつくる風景もあるので、どこを切り取っても絵になる建物になっています。入亭料は大人700円で、抹茶と季節のお菓子がいただけます。一番多く登場するのは、名前の元にもなっている栗の饅頭。献上菓子にもなっていた歴史ある御菓子(おかし)です。
こちらでは不定期にギャラリーがオープンしており、2020年秋は「六六鱗掬月七百景」という企画展が行われていました。栗林公園では池を泳ぐ錦鯉が江戸時代より有名だったのですが、病気の流行により一時消滅。2年ぶりに錦鯉の放流が行われることを記念して、錦鯉をテーマにした作品が並びました。
奥に進むと、池を望む離れスペースへ。こちらは三方向を庭の風景に囲まれた圧巻の眺め!お茶をいただく部屋とはまた違った絶景が楽しめます。
伝統的な名勝でありながら、現代的なアートとのコラボレーションも活発で、今後さらに見どころが増えそうです。庭園というとあまり華やかなスポットでなく足が向かない人もいるかもしれませんが、こういった新しい魅力のある掬月亭は必見です。