これは知人の女性Aさんが、彼に流され「宅配業者」になってしまったお話です。長年恋人のいなかったAさんは、マッチングアプリを通して共通の趣味を持つTさんと知り合い、恋人関係になりました。
写真はイメージです。(以下同じ)
Tさんは「俺はミュージシャンで芸能界の知り合いもたくさんいるんだ」と自慢げだったとか。まあよくあるダメンズ発言なのですが、実際、Tさんの楽器演奏の腕前はそうとうなもので、Aさんは彼の話に全く違和感や疑いを抱かなかったといいます。
付き合い始めて2週間、「お米持ってきて」と頼まれる
「彼とは家も近く、毎日のように会うようになり、数日は楽しい時を過ごしました。でも、だんだんと彼がおかしな発言をするようになったのです……」
お付き合いを始めて2週間ほど経ったある日、いつものように「今から行くね」とTさんに連絡をしました。すると「悪い、お米切らしちゃったから、持ってきてもらえる?」と返信が。
「最初は、疑いはなかったんです。いま手が離せないのかな、とか都合よく考えていて」
Aさんはお米を購入して運んであげたそうです。しかし、彼はお礼は言うものの代金をAさんに支払ってはくれません。
この時点で少し心にモヤがかかりましたが、「きっと困っていたんだ、これっきりだろう」と思い目をつぶりました。でもこのお米配達は宅配業者への面接試験だったようです。
彼に頼まれた日用品を買い与える日々
彼に頼まれた日用品を買い与える日々「それ以来、私が彼の家に行く日は、必ず何かを持ってきてもらえないかと頼まれるようになったんです。ある日はタバコ、そしてある日はティッシュと、毎回必ずなにかを頼まれる。それをせっせと彼の部屋に運ぶ私は、さながら森のリスか宅配業者ですよ!」
しかしまさか自分が利用されているなんて思いもしないAさんは、Tさんの要求をいつも受け入れてあげていたそう。
そんな生活が約3ヶ月続き、AさんがTさんへ買い与えた物資の総額は10万円を超えていました。