中絶費用が、70年前よりも割高になっている

 日本の中絶料金が高いのは今に始まった話ではありません。1948年の優生保護法で中絶が合法化された頃の中絶料金は日帰りで1000円、入院で2000円との記録があり、当時の大卒国家公務員の初任給4000~5000円に照らしても決して安い値段ではありませんでした。

“飲む中絶薬”がやっと日本にも?780円の薬なのに「10万円に」と言う医師の利権
(画像=『女子SPA!』より引用)

ところが現在は、70年前よりも相対的に値上がりしています。今の大卒国家公務員の初任給(一般職)は17~18万円程度なので、10~20万円の中絶料金となると一か月の給料の半分以上から一か月分では足りないほどになっています。

危険な「ソウハ法」がまだ使われている謎

 しかも、日本では100年以上前に日本に入ってきた旧式の「ソウハ法」と呼ばれる手術が今も盛んで、中絶の大半を占めている妊娠12週未満の初期中絶の過半数で使われているのです。  一方、WHOは2012年から、「旧式でより安全性の低い『ソウハ法』が、もし今もまだ行われているなら、他の安全な方法(吸引または中絶薬)に置き換えるべきだ」と指導していて、厚生労働省は昨年、WHOが推奨している「吸引法」を周知するよう産婦人科の二団体に依頼しました。

※ソウハ(掻爬)法:スプーン状の器具や鉗子を使って、子宮内容物(胎児や胎盤)をかき出す方法  吸引法:子宮口から細い管を入れ、子宮内容物を吸い出す方法