1月5日発売の『週刊文春』が、2021年12月18日に急逝した女優の神田沙也加さん(享年35)が亡くなる直前に交際相手の俳優と激しく口論する音声の内容を報じました。

「死ね」と言ってくる相手を愛してしまう女性に伝えたいこと。「手放せない」は間違い
(画像=『女子SPA!』より引用)

※イメージです(以下、同じ)

 交際相手の発言には「もう死ねば。みんな喜ぶんじゃない?」など、「死ね」という表現が複数回出てきます。

 本記事では、精神科・美容外科の元看護師であり、『君なら、越えられる。涙が止まらない、こんなどうしようもない夜も』の著者でもある作家・コラムニストのyuzukaさんが、「自分を傷つけてくる相手を愛してしまう女性」に向けてメッセージを綴る(以下、yuzukaさんの寄稿)。

この世は、ひとりで生きていくにはあまりにも苦しい場所

「死ね」と言ってくる相手を愛してしまう女性に伝えたいこと。「手放せない」は間違い
(画像=『女子SPA!』より引用)

yuzuka

「人は、ひとりでは生きていけない」

 使い古されたこの言葉はどうしようもなく薄っぺらくて、口から出すことを躊躇するほどだ。

 だけど冒頭の事件が起きたとき、起こってしまったとき、私の心の中には、やっぱりその言葉が浮かんできた。

 人生の岐路に立たされる度、何か大きな事件が起こるたびに浮かんで来るこの言葉は、時に私の心を締め付けた。

 人に依存せず、自分の思うままに生きていくことが良しとされるこの世の中ではあるけれど、やっぱり人は、相性の良い誰かと向き合うことでしか、健康的には生きていけないのである。

 なんと残酷なのだろうと思う。だけど事実ひとりで生きていくには、この世はあまりにも鮮明で、苦しい場所である。

「相性が合わない相手」といると、人は簡単に壊れてしまう

「死ね」と言ってくる相手を愛してしまう女性に伝えたいこと。「手放せない」は間違い
(画像=『女子SPA!』より引用)

 紆余曲折あったけれど、今だに要領の良い生き方は分からない。だけど私が30年生きてきた中で、ひとつだけはっきりしていることがある。

 それは、「人はひとりでは生きていけない」ということ。そして同時に、その共に生きていく相手との相性がいかに大切か、ということである。

 もし「相性が合わない相手」と一緒にいたらどうなるかーー。人はあっけなく、簡単に壊れてしまう。

 私は事件の中心にいたふたりのことを知らない。週刊誌に書かれたことすべてを鵜呑みにしようとも思えない。それに人が亡くなっている以上、どっちが良くて悪いだなんて、口が裂けても語ることはできない。

 だけど、人間関係が構築される中でもっとも大切なのは相性だということが分かるからこそ、記事のことが少しでも事実で、恋愛をきっかけにふたりの人間が大きく壊れてしまったのであれば、それはすなわち、一緒にいる相手を間違えてしまった末の悲劇なのではないか、と思うのだ。