アメリカの超有名映画評論サイト、ロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)で100%の高評価を獲得したドラマ「バック・トゥ・ライフ」。
現在、動画配信サービス「WATCHA(ウォッチャ)」にて独占配信中の本作は、18年の刑期を終えた主人公・ミリ(デイジー・ハガード)が故郷で再生を目指す姿を描く、社会派ブラック・コメディドラマ。エミー賞ほか数々の賞を受賞した海外ドラマ「Fleabag フリーバッグ」の製作陣が集結し、これまで国際エミー賞 コメディアワードにノミネートされるなど注目を集めている。そんな同ドラマは、一体どのように誕生したのだろうか。
tvgrooveは、主演、そして脚本・製作総指揮としても関わったデイジー・ハガードにインタビューを決行。デイジー演じるミリというキャラクターについてや、脚本執筆時のことを伺ってきた。
Q:現実社会の厳しさなどを描いた暗いテーマですが、時にユーモアも感じさせられるとても魅力的なストーリーですね。まず、どのようにこの作品を執筆しようと思い立ったのでしょうか。脚本を作る上で心がけたことはありますか?
デイジー・ハガード(以下、省略):大きく分けて二つ理由があるわ。まず一つ目は、両親と暮らしてたこと。それがいろんなイライラにつながっていたのよ。二つ目は女性が何か間違いを犯したときに、男性に比べて悪いものとして扱われる傾向がこの社会にあると思う。そのことに、前から興味を惹かれていたの。
「30代の女性で、まだパートナーに出会っていなくて、親と同居で、仕事もなくて…。そういう状況でさらに誰かを手にかけてしまった過去があったとしたら、どうなっていくのだろう?」と思った。就職しても、誰かといい感じになったとしても、自分の過去が明かされ、それで人生が複雑なものになっていく。その物語の可能性に面白いと感じたわ。
個人的に、大人になる物語がすごく好きなの。面白いのは、主人公が子供じゃないところね。ある程度の年齢の女性ではあるけど、服役していた中で成長みたいなものが止まってしまったところもある。そんな彼女だからこそ、奇妙な部分をコメディとして描くことができているんだと思う。彼女はある意味「大人のビギナー」だから。あとは人に対して持つ先入観だったり、思い込みや見方みたいなものに、挑戦を突きつけたいという思いもあった。そうね・・大きな鍋にいろんなものを放り込んだ感じだったわ。
Q:デイジーさんは、主演の他に制作総指揮、脚本もされていますね。演じるときや脚本を執筆するときなど、ドラマを作る上で、デイジーさんが一番しあわせを感じた瞬間はいつでしょうか。
どの段階でも最高の瞬間と「うわ、大丈夫かな?」という瞬間が必ずある。(脚本を)書いているときに「ここ最高!」ってなる時もあれば、演技をしている時に、いい感じの流れになることもある。今回は役者以上のかたちで参加させてもらっているから、個人的には現場のムードを非常に大事にしていた。参加するみんなが気持ちよく仕事ができている瞬間、それが叶っているって思えた時が最高の瞬間かな。
編集の作業もすごく好き。その段階でいろんなことが一つにまとまって出来上がっていくわけで、フラストレーションが溜まることもある。いろんなことがうまくいかなくて悩むけど、ある時、突然すべてがうまくハマった時も最高の瞬間なの。