フルータリアンという言葉をご存知ですか?なんとなく、ベジタリアンに響きが似ていますね。フルーツを中心とした食生活を送っているようなイメージがあります。お肌に良さそうな、フルータリアンの食事法を、メリットやデメリットと併せてチェックしてみましょう。
フルータリアンとは?
フルータリアンは果実食主義者のこと
フルータリアンとは、果物やナッツ類などを中心とした食生活をおくる、果実食主義者のことです。生命を奪う行為を、最大限に避けられるよう、肉や野菜類を口にしません。肉をいただくためには動物を殺さなければなりませんし、根菜なども、根を食べられてしまっては生きていられませんね。
果物であれば、木が死ぬことはありませんし、種を土に返すことで命を繋いでいくことも可能だという考えです。フルータリアンダイエットとも呼ばれることがあります。
フルータリアンはベジタリアンの派生
国際ベジタリアン連合の定義によると、フルータリアンは、菜食主義者であるベジタリアンの分類の一つとされています。耳慣れない言葉のため、新しい思想と思われがちですが、数百年も昔から存在していたと言われています。
実践していた著名人では、インドの政治的指導者であったマハトマ・ガンディーや、アップルの創設者であるスティーブ・ジョブズなどの名前が挙げられます。ただし、生涯にわたってフルータリアンを貫いたのではなく、限られた時期のみのことです。
フルータリアンは人によって制限が異なる
果物を中心とした食生活をおくるフルータリアンですが、人によって制限は異なります。軽いものですと、1食だけを果物食に置き換える程度に留まります。この他にも、3食とも果物中心ですが牛乳やお茶などは口にする人、果物以外は一切口にしない人などにタイプが分かれます。
最も厳しい思想の持ち主は、自然に地面に落ちた果実だけを口にすることを理想としています。さすがに、ここまでのレベルとなると、実行できる人は限られてきますね。
POINT
お茶やサプリメントもNG
徹底したフルータリアンは、かなり制限が厳しくなります。動物性の食品を口にしないことは当然ですが、お茶類やサプリメントなどの摂取もNGです。この他にも、根菜類、穀物類、スパイス類なども食べません。場合によっては、加熱したものもNGとなることがあります。
フルータリアンのメリットやデメリットは?
フルータリアンのメリット①美肌効果
フルータリアンのメリットの1つ目は、美肌効果があることです。果物を中心とした食生活なので、ビタミンなどは十分に摂取できそうですね。10年近く、フルータリアンの食生活を送っていた研究家の方によると、肌のキメが細かくなってスベスベになったとのことです。
フルータリアンのメリット②お通じがよくなる
フルータリアンのメリットの2つ目は、お通じがよくなることです。女性にとっての大きな悩みの一つなので、嬉しい情報ですね。果物をたくさん食べることによって、お通じに必須な食物繊維が豊富に摂取できます。便秘は、お肌のトラブルのもとになるので、こんなところにも美肌の秘密が隠されていたんですね。
フルータリアンのメリット③低カロリー
フルータリアンのメリットの3つ目は、低カロリーだということです。果物といえば甘いものが多いため、太りやすそうなイメージがあるかもしれませんが、お菓子や清涼飲料水などと比べると、かなり少ないカロリーとなります。例えば、リンゴなどは、チョコレートの10分の1のカロリーしかないと言われています。
全食を果物にしなくても、間食のお菓子を、フルーツに置き換えるだけでも効果がありそうですね。低カロリーは、女性にとって魅力的なメリットです。
フルータリアンのメリット④体臭が薄くなる
フルータリアンのメリットの4つ目は。体臭が薄くなるというものです。フルーツ研究家の方のフルータリアン体験には、加齢臭など気になる体臭がなくなったというものがあります。肉を食べることが多い地域の人は、体臭が強くなる傾向にあります。肉による臭いは、果物に切り替えることで緩和されるのでしょうか。
フルーツには、いろいろなメリットがあるので、いろいろと食べていきたいですよね。果物を美味しく味わうには、旬のものを選ぶのが一番です。
フルータリアンのデメリット①栄養不足の可能性
フルータリアンのデメリットの1つ目は、徹底して果物しか食べない場合、栄養不足に陥る可能性があることです。果物はビタミンやミネラルは豊富ですが、タンパク質や必須脂肪酸を始めとした、いくつかの栄養素が摂りにくい食品です。
ちなみに、世界保健機関(WHO)では、毎日の健康のためには、野菜と果物を併せて400グラム以上は摂取することが理想とされています。過剰に食べすぎても、少なすぎても、栄養的には良くないということですね。
フルータリアンのデメリット②食べる楽しみが減る
フルータリアンのデメリットの2つ目は、食べる楽しみが減ることです。世の中には、さまざまな食材と、さまざまな国の料理が存在しますね。フルータリアンの食生活ですと、動物性の食品はおろか、加熱した食品もNGとなることがあるため、食べられる物の幅が狭まります。
コーヒーや紅茶といった嗜好品もNGとする場合もあるので、徹底したフルータリアンになってしまうと、食べる楽しみも諦めなければいけなくなります。
フルータリアンのデメリット③コストがかかる
フルータリアンのデメリットの3つ目は、コストがかかることです。大部分の果物は、野菜よりも価格が高いですね。メロンやマンゴーといった少し高級なフルーツになると、数千円以上の値段になることも珍しくありません。
総合的にみても、野菜を買うよりも、果物を買うほうが高くつくことは間違いありませんね。お財布に優しくないので、3食すべてをフルーツにしてしまうというのは、厳しいかもしれません。
フルータリアンでは、ドライフルーツを食べるのもOKです。業務スーパーでのコストが分かるので、チェックしてみてください。
フルータリアンのデメリット④肌が黄色くなる
フルータリアンのデメリットの4つ目は、食べる果物の種類によっては、肌が黄色くなる可能性があることです。そう言えば、みかんを食べすぎると黄色くなると言いますね。フルーツ研究家の方もフルータリアン体験の中で、みかんを食べる機会が増える冬場は、肌が黄色くなると語っているそうです。
フルータリアンの食事法は?
フルータリアンの食事法①フルーツの分類を知る
フルータリアンの食事法の1つ目は、フルーツの分類を知ることから始まります。例えば、オレンジやパイナップルといった、酸性のフルーツもあれば、アボカドやココナッツといった油脂を含むタイプのものもあります。食事をする前に、これらの違いを理解して、献立に取り入れなければいけません。
フルーツの分類例
酸性タイプ:柑橘類・キウイ・イチゴなど
やや酸性タイプ:モモ・マンゴー・ナシなど
スイートタイプ:バナナ・ブドウ・メロンなど
ノンスイートタイプ:トマト・パプリカ・キュウリなど
ナッツ&種タイプ:アーモンド・クルミ・ヒマワリの種など
油脂タイプ:アボカト・オリーブ・ココナッツなど
果物にはいろいろな分類があるように、種類だって負けていません。ごく最近になって流通しはじめた、珍しい果物も増えてきているので、チェックしてみましょう。
フルータリアンの食事法②フルーツの割合を知る
フルータリアンの食事法の2つ目は、一日あたりのフルーツ摂取の割合を知ることです。基本的に、80%の酸性やスイートタイプに対して、10~15%の葉野菜かノンスイートタイプの果物、そして5~10%の油脂やナッツタイプという割合で食事をします。フルーツだけでなく、一部の葉野菜は食べてもOKなんですね。
摂取量に関しては、とくに制限はなく、必要と感じる量だけ食べればOKとなっています。皮をむいて、カットしただけのシンプルな状態で食べることが大切です。また、ナッツや種タイプのものは、消化を助けるために、1~2日ほど水に浸した方が良いとされています。
フルータリアンの食事法③食べるタイミングを知る
フルータリアンの食事法の3つ目は、食べるタイミングを知ることです。油脂タイプのフルーツは、夕食に食べると良いとされています。それ以外のものは、朝と昼に口にするようにします。できるだけ、さまざまなタイプを食べるようにすると良いでしょう。食事の間隔は、できるだけあけた方が望ましいようです。
フルーツの分類のバランスと、食べるタイミングに注意して、よく噛んで食べることが推奨されています。フルーツが水のような状態になるように、ゆっくりと噛んで食事をしていくのです。
フルータリアンの食事法④部分的に取り入れる
フルータリアンの食事法の4つ目は、部分的に取り入れることです。こちらは、本格的な食事法とは言えませんが、フルータリアンとしての第一歩や、フルータリアン的な食事として取り入れられることがあります。
通常の食生活から、いきなり100%フルーツのみの生活に切り替えるのではなく、徐々に身体を慣らしていこうと考える場合に行われることが多いようです。また、一日の野菜と果物の摂取量にのバランスをとるためや、ダイエット目的で1食のみをフルータリアンに置き換えることもあります。