近年、注目を集めているストレッチトレーナーの仕事。

ストレッチ専門店の出店も急激に伸び、ストレッチトレーナーを目指す方も増えています。

ストレッチの技術はトレーナーを目指す方や、インストラクターとしてスキルアップをしたい方にとって、お客様の身体のケアができるためとても役立ちます。

そこで、今回はストレッチについての基礎情報と、ストレッチを学ぶことで得られるメリットをご紹介いたします。

ストレッチとは?

ストレッチは筋を伸ばす柔軟体操のこと。

1975年にアメリカのボブ・アンダーソン(Bob-Anderson)が出版した「ストレッチング」をきっかけにストレッチは世界各国に急速に普及しました。

『YMCメディカルトレーナーズスクール』より引用
(画像=『YMCメディカルトレーナーズスクール』より引用)

ストレッチとマッサージ、どう違う?

ストレッチとマッサージ、どちらも似たようなイメージがありますが、どう違うのでしょうか?

違いを簡単に説明すると、アプローチ方法に違いがあります。

ストレッチは筋肉を“面”で捉える

ストレッチは筋肉を“面”で捉えるたアプローチを行います。

筋肉の1つのパーツの両端を遠ざけるように動かし、筋肉全体を引き伸ばしていきます。

関節などを伸ばしていくので、筋肉がほぐれると同時に可動域が広がり、柔軟性を向上させることができます。

一言で説明すれば、「関節可動域の増大」を目的にしています。

マッサージは“点”で捉える

一方、マッサージは“点”で捉えたアプローチを行います。

外部から力を加え、身体を押したりもんだりしながら筋肉をほぐし、血流を良くして疲労物質などを取り除きます。

一言で説明すれば、「コリや癒着の解消」を目的にしています。

ストレッチの効果

『YMCメディカルトレーナーズスクール』より引用
(画像=『YMCメディカルトレーナーズスクール』より引用)

ストレッチの効果はたくさんありますが、代表的なものとしては下記の2つが挙げられます。

01:柔軟性・関節可動域を高める

関節可動域とは、関節を動かせる範囲のことを言います。

関節を動かせる範囲は人によって異なりますが、日常生活を送っていく中でも関節の可動域は日々変化します。

例えば座った姿勢など同じ姿勢が続くと、筋の柔軟性に偏りがでてしまいます。

それにより動きが制限されるようになります。

また、ケガをしても、その周辺の筋肉は硬くなりやすいです。

そのため、ケガからの復帰を目指すリハビリテーションの現場では、まず可動域を戻すことから始めます

02:傷害の予防

ストレッチは、スポーツを行う際に主にウォーミングアップ、およびクールダウンで盛んに取り組まれています。

それは、筋の余分な緊張を除き、関節可動域を広げることによって動きを滑らかにし、ケガの予防に効果があるとされています。

先にも述べた通り、同じ姿勢を長時間続けると筋の緊張が高まり、その結果として関節可動域が低下した状態で急に関節を大きく動かすとケガをする恐れがあります。

そのため、ストレッチによって筋の緊張を取り除くことは重要であると考えられています。

ストレッチの種類

同じ筋の柔軟性を高めるストレッチングにも、いくつか種類があります。

静的ストレッチ

スタティックストレッチ

ストレッチの中でも最も代表的な手技。積極的に筋肉を伸張するのではなく、ゆっくり筋肉を緊張し静止させる。

動的ストレッチ

ダイナミックストレッチ

筋肉の収縮や伸張を繰り返し動かすことで関節可動域を広げていく手法。

バリスティックストレッチ

反動をつけてリズミカルに動かし、徐々に関節可動域を広げていく手法。

パートナーストレッチ

自身ではとれない体制や脱力した状態でおこなうことができるため、筋肉の柔軟性や関節可動域を飛躍的に向上できる。ペアストレッチ、パーソナルストレッチとも言う