ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンに2つ星として掲載された新潟県佐渡にある巨岩「大野亀」。標高が160m近くもある、山と呼べるほどの大きさの岩なんです。大野亀が海に突き出した景色は、佐渡No.1と言っても過言ではない絶景ですよ。

絶景の多い佐渡の海岸でも異色の存在

今回ご紹介する「大野亀」は、新潟県佐渡にある景勝地です。佐渡の海岸は、奇岩が何キロにも渡って連続する日本でもまれな地帯で、その景観を求めて多くの観光客が訪れます。その中でも特に大規模なのが「大野亀」です。どれくらいかというと・・・

佐渡の秘境・絶景フォトスポット【大野亀】
(画像=えいぶゆう/TossyPhoto トリップノートより引用)

こちらが大野亀と呼ばれる景勝地。歩いている人と比較してみると「大規模っていうわりに小さな山だなあ」とお思いかもしれません。実はこれ、山じゃなくて岩なんです!標高167mの一枚岩が、海にぐいーんと突き出しているんです。どうです?すごく迫力ある景色でしょ?

この迫力で「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では、2つ星の評価を受けたんですよ。

どうやって出来たの?

大野亀はマグマが地表近い地中に上昇して冷え、その上の堆積物が風などで取り除かれたものです。現地ではものすごくわかりやすい図説の説明版がありましたよ。

佐渡の秘境・絶景フォトスポット【大野亀】
(画像=えいぶゆう/TossyPhoto トリップノートより引用)

大野亀ができるまでを説明版に沿ってご紹介しましょう。

①マグマが上昇して浅い地下にたまる。

佐渡の秘境・絶景フォトスポット【大野亀】
(画像=えいぶゆう/TossyPhoto トリップノートより引用)

②そのままマグマが地中で冷えて固まる。

佐渡の秘境・絶景フォトスポット【大野亀】
(画像=えいぶゆう/TossyPhoto トリップノートより引用)

③地表近くまで固まったマグマが変動し、風化や浸食でマグマの周囲の地層が取り除かれる。

佐渡の秘境・絶景フォトスポット【大野亀】
(画像=えいぶゆう/TossyPhoto トリップノートより引用)

こう図説するとシンプルですが、途方もなく長い長い年月をかけて大野亀に変わっていったわけで、今から3400万年前から1700万年前の火山活動によって形成されました。それが今私たちの目の前にあるなんて、地球規模の時の流れと雄大さを感じますよね。

いよいよ大野亀へ

そんな大野亀には遊歩道があって、普通のスニーカーで登ることが出来ます。こちらが遊歩道入口。

佐渡の秘境・絶景フォトスポット【大野亀】
(画像=えいぶゆう/TossyPhoto トリップノートより引用)

この道の左前方に、大野亀が独立峰のように青空と海をバックに構えています。

佐渡の秘境・絶景フォトスポット【大野亀】
(画像=えいぶゆう/TossyPhoto トリップノートより引用)

緑が茂っているところを見ると山に見えますが、左側の岩が露出したところを注意してみると、一枚岩の荒々しさがわかりますね。

佐渡の秘境・絶景フォトスポット【大野亀】
(画像=えいぶゆう/TossyPhoto トリップノートより引用)

大野亀単体で見るとすごく険しそうですが、遊歩道は石畳が敷かれていてのんびりしたものです。10分ほどで海が見渡せる場所まで登ることが出来ます。ちょっとしたお散歩気分で、大規模な自然美にアプローチできるって素敵ですね。

佐渡の有数の景勝地「二ツ亀」も見渡せる

佐渡の秘境・絶景フォトスポット【大野亀】
(画像=えいぶゆう/TossyPhoto トリップノートより引用)

海の真ん前にあるので、ちょっと登っただけでこんなふうに見渡せる場所に出ます。奥のほうに2つの島が連なっているように見えるところがありますね。あちらも佐渡の有数の景勝地で、「二ツ亀」です。数キロ北上すると、下の写真のようにもっと亀っぽく見えるんですよ。

佐渡の秘境・絶景フォトスポット【大野亀】
(画像=えいぶゆう/TossyPhoto トリップノートより引用)

ところでなんでこんなに「亀」がつく地名がおおいんでしょうね。この地では亀は「神」を意味し、アイヌ語の「カムイ」に通ずる意味として使っているそうですよ。古来から聖なる場所として信仰されていたんですね。巨岩信仰は全国のさまざまなところにありますが、これだけ大きかったら迷うことなく崇めたくなる気がします。