関係人口の創出に取り組んでいる地域

関係人口とは?今後地域の活性化に必要になってくる人の定義
(画像=『移住支援.com』より引用)

関係人口の創出と拡大に向けて、全国の各自治体ではさまざまな取り組みをおこなっています。ここでは、各自治体がおこなっている実際の取り組み事例についていくつかご紹介していきます。

北海道石狩市

農業大国である北海道石狩市では、地域農業の担い手確保を目的として、都市部の人材が石狩市農業との関係性を築けるプロジェクトを用意しており、築きたい関係性や興味の度合に応じて3種類のプログラムから選択できるようになっています。「ライトな関係」では、石狩の農業に関することをスマホ上で情報取得をすることができ、見る、知る、食べる場をリアル店舗でも設けています。

「ミドルな関係」では、実際に石狩の農場を訪問し、農場内散策や収穫体験、収穫物を活用した軽食調理及び実食を行う「石狩ファームピクニック」ツアーを開催し、2021年はモニターツアーを催行されました。「コアな関係」では、実際に石狩市内で農作業に従事しながら農村生活を体験するプログラムが用意されています。

富山県高岡市

高岡銅器・高岡漆器などの伝統産業をはじめとした「ものづくりのまち」富山県高岡市では、製造業の事業所数、従業員数、製造品出荷額が年々減少の一途をたどっていることから、首都圏イベントやモデルツアーを開催しています。地方への短期から長期の滞在や文化創造都市としてのブランド力の向上を目的とされたプロジェクトとなっています。

奈良県下北山村

豊かな大自然に囲まれた奈良県下北山村では、学生向けプロジェクト「森で育む学生拠点創造プロジェクト」を取り組んでいます。村の課題でもある山林資源の活用と空き家問題に向き合い関わることができます。具体的には、「地域住民とのコミュニケーション」「空き家リノベーション」「地域資源の活用」がポイントとなっており、地域住民への活動報告会や空き家をDIYによる解体および改修作業、森の調査や伐倒、搬出、製材現場の見学などが体験可能となっています。

徳島県三好市

豊富な自然資源と観光資源を保有し、観光・スポーツ体験のまちとしても賑わう徳島県三好市では、体験型地域貢献プログラム「たまには地域おこす課」を実施しています。人口減少・高齢化に伴い、産業や伝統行事の担い手の確保といった課題を抱えている三好市では、市の特徴や魅力をWebサイトで積極的に発信し、移住・定住だけでなく地域に関わり、楽しみながら地域の課題解決に取り組める関係人口の創出に取り組んでいます。

体験型地域貢献プログラム「たまには地域おこす課」では、手軽に地域と繋がれる「ふるさと納税」の紹介から、実際に三好市に来ておこなう「狩猟体験」やジビエ肉を加工する「ソーセージ作り」などを体験できる企画もされており、自然をアクティブに楽しめる内容となっています。

山形県長井市

美しい自然に囲まれた山形県長井市では、長井市と関係を持った大学生や卒業生を中心に呼び掛けをおこない、関係人口の創出を目指しています。長井市では、長井市と関係を持った大学生及び卒業生等に客観的に若者の目で見た良さを伝えるとともに、今後の活用方法などの検討や実際の事業実施にも携わる内容となっています。

まとめ

東京一極集中が進む現代において、地域における高齢化や人口減少は早急に取り組まなくてはならない大きな課題です。関係人口の創出と拡大はこうした課題を解決する糸口として注目されています。地域の課題を解決できるのは、その地域に居住している人々や移住する人々だけではありません。普段は都市部で生活している人でも週末や休日の生活スタイルを変えるだけで関係人口という関わり方が可能なのです。

また、こうした地域との関わりをきっかけにして、今まで気が付かなかった生活スタイルや新たなスキル、多くの出会いが待っているかもしれません。これまでの暮らしを振り返り、愛着やルーツがある地域が頭に思い浮かぶ人は、ぜひその地域の関係人口のひとりになってみてはいかがでしょうか。


提供・移住支援.com

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