盛岡駅周辺には、歩いて楽しめる散歩向きのスポットが多数あります。しかも盛岡はかつて南部藩として栄えた背景もあり、非常に文化的で歴史を感じる場所ばかり!この記事では、おすすめスポットを筆者が実際に巡った順番で紹介し「散歩用モデルコース」として解説しています。たくさん登場する偉人にも注目です!
所要時間と散策コース
この記事では12か所のスポットをご紹介していますが、すべてを散歩すると1時間半~2時間程度が必要になります(盛岡駅を起点とする)。これはスポットを点々と散歩するのにかかる時間ですので、各見どころをゆっくりじっくり見たい!という方はさらに時間を確保できると安心です。
筆者はお昼前発の新幹線に乗車する予定があり、朝の時間を使ってさくさくとお散歩しました。いい運動になりますし、さっくりと見学するだけでも盛岡に根付く文化と歴史にたっぷりと触れることができます。駅チカに濃密なスポットが点在しているのは、盛岡旅最大の魅力ですね。
それでは早速以下より、12のスポットをご紹介していきます!番号順に筆者が巡った順路となっていますので、上から順番に読めば散歩用のモデルコースとして使えます。ぜひ参考になさってみてください。
【1】盛岡城跡公園
盛岡城は、1633年から盛岡南部氏の居城として利用されていました。1874年には城内の建物の大半が取り壊されましたが、1906年に岩手公園として整備され市民の憩いの場として生まれ変わりました。
2006年に開園100周年を記念し、そのときから「盛岡城跡公園」と呼ばれるように。敷地内に入って楽しむ方法もありますが、今回は外観だけを鑑賞し、次のお散歩スポット(賢治清水)へと向かいます。
【2】賢治清水
こちらは清涼な水が湧き出ている湧水スポットです。スポット名の「賢治」とは、宮沢賢治のことを指します。現在の岩手大学農学部に所属していた宮沢賢治が、下宿中に実際に使っていたという共同井戸の水脈を、10メートル程度ボーリングしたところに湧いています。
賢治が使った共同井戸も現存しており、それにちなんで「賢治清水」と名付けられたそうです。空のペットボトルを持参すれば水が汲めます。住民の方がランニングの途中で水を汲んでいる様子が印象的でした。
【3】新渡戸稲造生誕の地
こちらのスポットでは、新渡戸稲造の銅像を見学することができます。それ以外に見るものは特にありませんが、南部藩士の三男として盛岡の地に生まれた新渡戸稲造に想いを馳せることができます。
新渡戸稲造といえば、2007年に発行停止された旧五千円札に描かれた肖像として知られていますね。高校や大学の学長として青年教育に携わり、国際連盟事務局次長に選任されたことでも有名な人物です。
【4】青龍水(平成の名水百選)
「平成の名水百選」に選ばれている湧水地です。江戸時代には自噴する湧水だったそうですが、現在は井戸になっています。共同井戸として、地域住民によって維持管理されています。
筆者が訪問した際も、地域の方々が容器を持参して水を汲みにきていました。暮らしのなかで欠かせない水を調達する場所として、非常に大切にされていることが伺えます。
【5】原敬墓所
大慈寺(だいじじ)の敷地内には、平民にして初めて内閣総理大臣(第19代)になった原敬の墓所があります。原敬は盛岡市出身の政治家で、自由と平和を愛し、藩閥・軍閥・官僚などの特権階級と対決しながら政党政治を実現した人物です。
遺書のとおり、墓石には「原敬墓」とのみ刻まれており、最後まで平民として生きた強い信念が表れています。墓所を訪問する際には、ぜひその点にも注目してみてください。
【6】大慈清水(平成の名水百選)
【4】の青龍水とともに「平成の名水百選」に選ばれている湧水地です。明治時代初期に大慈寺(だいじじ)境内の湧水から木管で水を引き、原形が造られました。その後、何度か工事を経て現在は井戸に変わっています。
地域住民による用水組合で維持管理され、今もなお暮らしに根付いた場所として大事にされています。鉈屋町(なたやちょう)と呼ばれるエリアに位置しますが、ここは江戸時代から湧水が豊富な地として知られていたそうです。